「デッドトリガー」 感想 うかつに触れると焼け爛れる産業廃棄物

概要

原題:DEAD TRIGGER UNKILLED
製作:2017年アメリカ
発売:インターフィルム
監督:マイク・カフ/スコット・ウインドハウザー
出演:ドルフ・ラングレン

宣戦布告!!人間か?ゾンビか?全滅するのは、どっちだ?
ゾンビ感染症が発生。感染症を一掃するため、対ゾンビ特殊部隊(CSU)が結成された。CSUは高得点ゲーマー、格闘家、犯罪者などゾンビに立ち向かえる有望な若者を続々とスカウトし入隊させた。スカウトされた若者たちは歴戦の猛者ウォーカー大尉(ドルフ・ラングレン)から訓練を受ける。続々と感染者が増加の中、感染症の発生源であるターミナル島でゾンビ治療薬を研究しているチームからの連絡が途絶えた。そこで上層部はウォーカー大尉率いる部隊に捜索と救出の任務を伝え現地へと向わせた。到着した部隊を待ち構えていたのは、すでにゾンビ感染者に制圧されていた研究所だった。今、島を完全に制圧する勢いで増殖するゾンビ軍団とウォーカー率いる部隊との壮絶なサバイバル・バトルが開始された!
(劇場公開作品)
(アメイジングD.C.HPより)

予告編




感想

少子高齢化の進行著しい日本社会。年老いた親を老人ホームに入居させている人も珍しくないでしょう。そんな人が忙しい仕事の合間を縫って親に面会しに行ったら、ちょうど民間の演劇団による慰問交流会が催されているところだった。何と間の悪いことか。面会を済ませてさっさと帰りたいのに。せっかくの休日をこれ以上無駄にしたくないんだよ。…が、しかし、どうしても参加してくれないかと介護職員に頼み込まれてしまい、仕方なく演劇を鑑賞する羽目になってしまった。しかもよく見ると、演劇する側も60代のシルバー人材。慰問というのはただの建前で、内容などどうでもいいからとりあえず認知症の老人たちの注意を1時間半惹きつけておくことだけが求められているのだ。自分が参加する必要などどこにもないではないか。これでは体よく押し付けられた監視役でしかない。いつの間にか介護職員共の姿が見えない。休憩に入ってやがる。ああ、なんでこんなところに1時間半も座ってなきゃならないんだ…



…と、本作はそんなようなどうしようもないシチュエーションに陥ったつもりになって鑑賞してください。そうでもしなければとてもじゃないけど耐えられません。下手すると老人ホームの演劇どころかお遊戯会レベルと言ってしまっても過言ではないかもしれない。限りなくZ級に近いレベルのC級ゾンビ映画です。
ものすごく分かりやすく表現すると、マーク・ポロニア監督作品よりはだいぶマシだが、マーク・アトキンス監督作品よりはかなり落ちます。だからラングレンはせめてマーク・アトキンスとコンビを組むべき。

何でも本作は大人気スマホゲーの実写映画化だとか何とか。アメリカ人はちょっとした空き時間があったらスマホでもゾンビを撃ってるんですかね。どれだけ射撃が好きなんだろうか。何にせよドルフ・ラングレンのファンとしては全く持って痛ましい気持ちになるばかりです。


いや、良いところが全くないわけではないんですよ。
ゾンビのメイクはそこそこ頑張ってる感がありますし、クライマックスでのドルフ・ラングレンの格闘シーンはそこそこ回し蹴りとか出してくれたりして楽しめないこともない。そしてオチのどんでん返しは「シベリア超特急」の如き猛烈な脱力感をもたらしてくれます。

あと、よく考えたらここ最近のドルフ・ラングレン主演作としてはそこまで異常にクオリティが低いわけでもなかった。いくらなんでももうちょいマシな映画に出られねえのかよ、と悪態をつきたくもなりますが、まあ出られないのでしょう。

ドルフ・ラングレンの今後の俳優人生にチャンスがあるとすれば、もう「エクスペンダブルズ4」以外には何もないのか?
スタローン頼みか?
単独でも「その男ラン・グレン」みたいな新境地を目指す手もあると思うんですけどねえ。


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