「イモータル・ウォー 終わりなき戦い」 感想 異次元から子供を呼ぶ異能力者とは

概要

原題:The Immortal Wars: Resurgence
製作:2019年アメリカ
発売:配信のみ
監督・脚本:ジョー・ルアン
出演:エリック・ロバーツ/トム・サイズモア(?)

最強の戦士は戦いの勝者となれるのか―?仲間同士を戦わせ、その勝敗を賭けて楽しむ人類の娯楽に利用された特殊能力を持つ種族"逸脱者"たち。生き残るためには戦いで勝利するほかなく、相手の弱点を見極めバトルに没頭していく!過酷な戦闘を圧巻のスケールで描く超絶アクション!
(↑Amazon紹介文より)


予告編






感想

いつの間にか配信が始まっていたC級SFアクション映画。
誰も観てなさそう。

とはいえ、これはそこまで酷くありません。

…いや、やっぱり酷いけど、それでもボチボチ楽しめる方のC級映画だと思います。
何しろエリック・ロバーツとトム・サイズモアという2大スター豪華共演ですからね。


…と言いたいところなんですが、トム・サイズモアは一体どこに出ていたんでしょうか? 見逃した?
本当に出ていたのか気になってアメリカ本国のamazon.comの商品情報を見てみたら、そちらには彼の名はありませんでした。やっぱ出てないのかな。しかしアメリカはアメリカで尺が114分と誤記されていた(本当は92分)のでもう何が正しい情報なのか分かりません。C級映画の辛いところですな。


で、内容は未来で逸脱者と呼ばれる異能力者たちが自由を賭けてむりやりトーナメント戦をやらされると言った感じの話。我らがエリック・ロバーツは当然、悪の支配者側です。

では出場者はどんなに逸脱した異能力者どもなのかというと、このようになっています。


①ドイツ代表「ブラックアウト」

熟練の殺し屋。超感覚とレーダーを有する

レーダーはまあ分かるとして超感覚って何なんでしょうね。
殺し屋ならいいけど正面切って戦うトーナメントではあまり役に立たなそうな能力です。


②イギリス代表「ブラッドシェット」

エネルギーを吸収する

人造人間19号的なやつ?


③オーストラリア代表「アトモ」

物質のコントロールが可能

何をどうコントロールできるのかによっては無敵の能力に聞こえるんだけど、いつ出場していたのか知覚できませんでした。


④アフリカ代表「シン」

剛力かつ暗黒のパワーを発揮
異次元から子供を呼ぶ

曖昧な能力者ばかりかと思ったらなんかやけに具体的かつ妙竹林なやつが出てきました。いや「剛力かつ暗黒のパワー」ってのはどうでもいいが、「異次元から子供を呼ぶ」って何だ。
ただの子供を呼んでもしょうがないしなんか恐ろしい子供なのか?
それともシンの子供という意味か?
楽しみで楽しみでしょうがなかったんですが、こいつも一体いつ出場したのか知覚できませんでした。予選落ちでもしたのか?


⑤ロシア代表「カーリーとタンク」

カーリーが未来を読み
テレパシーでタンクに伝える

今度はオインゴとボインゴ的なやつ。
こいつはしっかり本戦に出場していました。が、未来を読むはずのカーリーが「そこだ!もっと強く!」みたいなどうでもいい指示しか出さなかったのはいただけない。


⑥ウクライナ代表「アイオロス」

五輪出場の武術家
高速で強力なパワーを発揮

別に異能力者でもなんでもないのでは?


⑦フランス代表「チャージ」

電気を生み出し攻撃する

名前からすると事前に電気を溜めて置いて戦闘時に放出する感じでしょうか。
なんかジャンプ的なキャラが多いですね。



⑧メキシコ代表「アイロ」

炎を操る

主人公の友人というおいしいポジションかつ変なメイクをしているのである意味一番目立つキャラクター。なのに肝心の能力は地味極まりない。コイツが異次元から子供を呼ぶ能力を持ってれば面白かったのに。



⑨インド代表「デイケイ」

熟練の殺し屋
手と口から暗黒パワーを放出する

熟練の殺し屋・2人目。
暗黒パワーって結局なんなんすか。



⑩アメリカ代表「トリカリプス」

念力及び剛力と持続力を有する
テレパシーがあり他者のエネルギーを吸収する

エネルギー吸収能力者・2人目。特にそういう描写はなかったけど。というかテレパシーも念力も使ってない気がする。関節技と投げ技がメインだったような。


主人公はこのアメリカ代表トリカリプスなんですが、決勝戦の相手が誰だったか名前を忘れてしまいました。なんか緑色のオーラを出して攻撃してくる女なんだけど…


…で、このトーナメントに優勝したら「最強の逸脱者」と戦えるという特典(?)があるんです。
陰陽トーナメントの田島みたいな感じでね。
その最強の逸脱者はちょっと谷亮子似のエジプト系女子なんですが、これ決勝戦も真決勝戦も全部女同士の戦いなんですよね。男はザコばっか。

まあそれはいいんですが、戦いは最後まで描かれません。
ジャンプの打ち切りバトル漫画を思わせるぶった切り方で幕を閉じます。

ということで、なかなかの珍作なので物好きな方にはそこそこオススメです。


コメント

匿名 さんのコメント…
 とても楽しく拝読させていただきました。岩石入道さんのご意見を参考に目を皿の様にして鑑賞したのですが気が付いた点を何点か。

>①ドイツ代表「ブラックアウト」
>レーダーはまあ分かるとして超感覚って何なんでしょうね。
>殺し屋ならいいけど正面切って戦うトーナメントではあまり役に立たなそうな能力です。

ブラックアウトは目に鉢巻を撒いているので恐らく名前の通り盲目なんだと思います。だから超感覚で眼が見えないのを補っているのではないかと。でもまあそれでやっと一人前なんですけどね(笑)

>④アフリカ代表「シン」
>「異次元から子供を呼ぶ」って何だ。

これは作中に出てきている気がします。全身黒タイツの小柄な三人組ではないでしょうか。ただカットが切り替わったらいきなり全員倒れてて蹴りまくられてたんで、全然強くはなかったですけどね(笑)

>⑥ウクライナ代表「アイオロス」
>高速で強力なパワーを発揮
>別に異能力者でもなんでもないのでは?

多分トリカリプス戦で見せた加速装置的な動きの事なんじゃないかな。上手く使えば結構強そうですけどね。

>⑨インド代表「デイケイ」
>暗黒パワーって結局なんなんすか。

・・・多分あの全く効いてない緑の毒ガスみたいなやつの事ではないかと。

>⑩アメリカ代表「トリカリプス」
>というかテレパシーも念力も使ってない気がする。

確かにテレパシーと念力は良く判りませんが、能力吸収はかなり頻繁に使ってました。一回戦の相手の電撃攻撃と二回戦の相手の緑の毒ガス攻撃は吸収して何回かずつ使ってましたよね。

それよりも残念なのは、”砂嵐の王”ニクス・モロスの能力が全く判らなかった事です。あの黒い霧みたいなのが何か重要な伏線なんだろうと思うんですが・・・
岩石入道 さんの投稿…
コメントありがとうございます。この珍作を真剣に見てコメントをくれたというのが大変うれしいです。なんせ無料配信が始まるまで本気で誰も見てないぐらいのマイナー映画でしたから、他人の感想が全く無くて。よく分からん点があっても解消できなくてモヤモヤが残ったままだったんですよ。

それにしても、本当にシンが異次元から子供を呼んでいたとは気づきませんでした。何度も巻き戻して探したはずだったんですが。しかも全身黒タイツの3人組とな? せっかくそんな独創的で愉快な能力を披露しておいて瞬殺とはもったいなさすぎますよね。もっと目立つようにしてくれればなあ。

ウクライナ代表は逸脱者のくせに五輪に出場していたってのが引っかかりましてね。そういう表舞台で大っぴらに活躍できないからこそのこのトーナメントなんじゃないかなーとか思ったり。

主人公は電撃と毒ガスを吸収していた…なんと私はそれすら気づいてませんでした。しかもあの毒ガスが暗黒パワーであると。毒あったのかな。とすると、決勝で緑のオーラを出してたあの相手はデイケイってことですね。

砂嵐の王ニクスモクス…そんな奴もいましたね。本作からは続編を作りたそうなニオイを感じるので、それが実現すれば伏線を回収してくれるかもしれません。まあ、たぶん出ないとは思いますけどね。