「アーチャー 地獄のデス・ロード」 感想  矢が足りない

概要

原題:The Archer
製作:2017年アメリカ
発売:AMGエンタテイメント
監督:バレリー・ワイス
出演:ベイリー・ノーブル/ジェニーン・メイソン/ビル・セイジ/マイケル・グラント・テリー/アンドリュー・コールドウェル

無実の女子高生。絶対死の刑務所をサバイブせよ
女子高生のローレンは、無実の罪で懲罰施設“パラダイス・リッジ”に送還される。しかしそこは、若い女の子を廃人にしてしまう恐ろしい刑務所だった。

ローレンは不正の証拠をつかみ脱獄、逃亡者となる。迫り来る残虐な刑務官たち。アーチェリー大会チャンピオンのスキルだけが彼女の武器だ。
果たしてローレンは追っ手を返り討ちしながら、逃げ切ることができるのか!?
(↑アメイジングD.C.公式サイトより)



予告編






感想

公式サイトにもTSUTAYAのラベルにも「本編時間:103分」とはっきり書いてあるのに、実際に見てみたら86分しかありません。エンドクレジットを除けば81分。
まあ、短いことは良い事なんですけどね。この業界、ジャケ詐欺・予告詐欺がはびこっているだけではなく、こういうイージーミスも多すぎます。いや、別に憤りを覚えているわけではなくて、純粋にうらやましいんです。そんな適当な仕事でいいなんてさ…。そんな職場で働いてみたい。それとも逆にチェックする暇もないほど忙しかったりするんでしょうか?



しかも上に載せた公式サイトのあらすじがまた突っ込みどころ満載ときた。
まず「無実の女子高生」とか言ってますが、一応何の罪もない同級生男子を大した理由もなくボコって病院送りにしているので決して無実とは言えません。全然反省の色もなくて「あんなので罪に問われるなんてあり得ないでしょ?」って感じ。ここに限らず、なんか全体的にやたら女尊男卑的な空気を感じる映画です。男はもれなくクズ&グズばかりだし、女の子は女の子同士で恋愛してます。

あと高校生ですから収容されるのは当然刑務所でもなければ殺されるわけでもないし、別に廃人にされている様子も全くありません。ブロックを引きずって走らされたりしてはいますが、むしろ体力が付きそうです。

まあそれでも不正は不正ですが。現実にもそうやって罪の無い子供を施設送りにして搾取している輩がいるらしく、そういうのを告発する社会派映画でもあるようです。どのくらい本気なのか知らんけど。



で、主人公ローレンはアーチェリーの高校チャンピオンという話ですから、その手のアクションを大いに期待していたわけなんですが。



言うほど弓矢使ってなかった…

まず追手となる「残虐な刑務官たち」の実態がただの無能なボンクラ親子2人だけ、というのが致命的すぎました。いくらなんでも少なすぎるし弱すぎる。一体どの辺が「地獄のデス・ロード」なんだ。山の中だから道もないし。

あんなショボイ追手なら別にアーチェリーのチャンピオンでなくても…というか、学生の時にアーチェリーを始めようとしたけど道具が思ったより高くて諦めただけの私でも充分何とかなりそうです。緊張感のかけらもない。



で、ローレンが脱走してようやく弓矢を手に入れた中盤、追手の車をパンクさせるためだけに矢を3本も使ってしまうんですが、その時点でもう矢は残り1本だけ。もしかしてこの映画、矢を射るシーンはあと1回しか無いのでは…? とかなり不安にさせられます。そして案の定、その後弓矢を使うシーンがほとんど無い。さすがに1回てことはありませんでしたが、それでもたったの2回です。製作する時にお金が無かったのは非常によく分かるんですが、別に矢を何本か多めに撃ったって大して金かからんと思うんですけど。なんでそんなに出し惜しむのか。



ということで、不正に儲けている悪徳更生施設を告発する社会派映画としての本作に興味を持った人はレンタルしてもいいのではないかと思います。単純に弓矢でかっこよく敵を仕留める爽快アクション映画が観たい人には、本作よりも「ランボー 最後の戦場」をオススメしておきます。









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