概要
原題:AD ASTRA製作:2019年アメリカ
配給:20世紀フォックス
監督:ジェームズ・グレイ
出演:ブラッド・ピット/トミー・リー・ジョーンズ/ドナルド・サザーランド
近い未来。ロイは地球外知的生命体の探求に人生を捧げた父を見て育ち、自身も同じ道を選ぶ。しかし、その父は探索に旅立ってから16年後、地球から43億キロ離れた太陽系の彼方で行方不明となってしまう。その後、エリート宇宙飛行士として活躍するロイに、軍上層部から「君の父親は生きている」という驚くべき事実がもたらされる。さらに、父が太陽系を滅ぼしかねない通称“リマ計画”に関わっているという。父の謎を追いかけて、ロイも宇宙へと旅立つが…。(↑公式サイトより)
予告編
感想
これは
驚くほど
つまらなかった!
…です。
劇場で予告編を見た時は、何やら月面で派手にドンパチを繰り広げていてスペクタクルな宇宙SFアクション物のようで大変楽しそうだったのでぜひこれは映画館で鑑賞せねば!と思ったんですよ。しかしちょうど本作の公開時期が軽減税率対応と被ってしまい、忙しくて観に行けなかったのでレンタル開始まで待っていたんですが、これほどまでにつまらないとは思わなった。
というのも、本作は娯楽映画ではなく完全なる芸術映画だからです。父親に捨てられて感情を失って鬱っぽくなった主人公ロイが、海王星で消息を絶った父親を捜しに行き、最終的に少しだけ前向きになれた。…多分そんなような話だったと思うんですが、要するにロイの陰鬱な内的宇宙を映像的には壮大な宇宙旅行と対比させながら描いたドラマなのかなと。別に目新しくもないし、とにかくテンションが低くて淡々としています。
これなら、あんなエキサイティングな予告編作っちゃいかんだろ…と強く言いたい。クリストファー・ノーランの「インターステラー」みたいな感じのSFなのかな?と期待して本作を観に行った人はもれなく爆睡したことでしょう。私ももし映画館で観てたら間違いなく寝落ちか途中退席していたと思います。
ただ、芸術映画だからと言って観客を楽しませる努力を完全に放棄しているかと言えばそんなこともなく、月面で宇宙盗賊とカーチェイスしたり、難破船に行ったら凶暴なサルが暴れていたりと微妙にテンション上がるシーンもチラホラ。しかしストーリー上なんか意味があったのかどうかよく分からんし、格好の詐欺予告用素材と化しているのが腹立たしい。そもそも月面に盗賊がいるっていう設定もいかがなものか。何のためにどうやって活動してるんだ。取り締まれよ。
まあ映像の美しさはあるし、哲学的で考察し甲斐があるといえばあるのかもしれませんが、そういう難解なものを読み解くことにのみ喜びを覚え絶賛するインテリゲンチャの御託を真に受けた一般人が痛い目を見る典型的な腐れ芸術映画です。芸術だ何だと言ったって大衆からカネを巻き上げることに変わりは無いんだからもう少しは大衆を楽しませろと言いたいですね。商業作品なら娯楽の中に芸術的テーマでも何でも盛り込めばいいんです。娯楽を切り捨ててるなら、少なくともああいう詐欺予告をでっち上げて一般人を釣ろうとするなと。ミニシアターでひっそりやってなさいと。まあそんな感じなので、知識階級の方以外は手を出すべきではないと思いました。
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