概要
原題:Child's Play製作:2019年アメリカ
発売:バップ
監督:ラース・クレヴバーグ
出演:オーブリー・プラザ/ガブリエル・ベイトマン/ブライアン・タイリー・ヘンリー
最先端テクノロジー企業カスラン社が発売した「バディ人形」。それは子供にとって一生の友達となる高性能のAIを搭載したハイテク製品であった。だが、孤独な少年アンディの元にやってきたそれは、行動のリミッターを解除された不良品だった…
予告編
感想
私はこれまで「チャイルド・プレイ」シリーズは一切観たことがありません。それでもホラー映画マニアのつもりか!と叱られそうですが、なんとなくスルーし続けて今日に至ってしまったんです。その辺の得体のしれないZ級映画を観る暇があるならもっと名作を見ておくべきかもしれませんが、そういった常識的な考えにはとりあえず尻を向けておくのが私のやり方なのです。
とはいえ、めぼしい新作Z級映画も見当たらなくなってきたので今日はこの名作のリメイク版に手を出してみました。前述の通り全く先入観も思い入れもないまっさらな状態で鑑賞したわけですが、そういう人間からすると本作はめちゃくちゃ面白かったです。
たぶんオリジナル版とは全く異なる設定だと思うんですが、本作は今の世相を反映した近未来が舞台のSFになっています。人工知能を搭載した人形が一般的に出回っており、そのうちの1体が不良品だったせいで事件が起こるという話です。
バディ人形の製造工場が中国ではなく今やベトナム。かつてアメリカと戦った国でも資本主義の前では奴隷のようにこき使われるしかないのか? そんな劣悪な労働環境から必然のように産み落とされる不良品のバディ人形チャッキー。
そのチャッキーが脅威のシリアルキラー人形と化してしまうきっかけがよりによって「悪魔のいけにえ2」であるというのが実に笑えます。なんであれなんだ。持ち主のアンディと友人たちが「悪いけ2」をゲラゲラ笑いながら鑑賞していたのを見て、殺人は善行だと学習してしまったっていう。AIの反乱をネタにした映画は無数にありますが、なんかこれだとAIに罪は無いような気がしてくるから不思議です。こういうテイストのAI反乱映画は記憶にない。
ただ私は「悪いけ2」はあんまり好きじゃなくて、確かにあれはコメディに振っているのは分かるもののグロは本気で気持ち悪くて頭痛がするほど不快だったんですよね。まあ十代の頃に見た感想なので今観たら笑うかもしれませんが。それでも「悪いけ2」は一作目よりもさらにおぞましい狂気に溢れていたのは確かです。あの映画を笑って観られる小学生がいたらちょっと…いや、かなりイヤだなあ。
あれをネタにするだけあって、本作も意外とスプラッター度が高かったです。でもこっちは笑えるグロだから気持ち悪くならなくてよかった。母親の恋人のやられ方は実にナイスだし剥がされた顔を一旦スルーしてしまうのも笑えた。
スマホアプリで完全自動運転車を呼ぶシーンはウーバー・テクノロジーズが思い描いている理想像そのものに見え、本当にそういう時代が来れば私が塩漬けにしているウーバー株も爆上げするんだがなあ…。などと思いながら観ていたんですが、これはホラーですから当然ろくな結果にならないわけで、結局ウーバーの将来も同様なんではないかと不安になってきました。
カミソリドローンはどうやって用意したんだとか、あれだけ首を吊られたら死ぬだろとか、カスラン社が責任問われないのは無理だろとか色々突っ込みたいところはありますが、そういうのも含めて笑えるスプラッターホラーの良作でした。
コメント
なんてネガティブに思ってはいたんですが、
ドラマ版は主人公ゲイ(真性)とかなんかもうこのシリーズ…
そんなとこでナウい感覚発動しなくていいのに
「フライトナイト」だったかな
女の子連れ歩くギャハハ系いじめっ子が途中でカミングアウトしてきて、
「僕は本当はゲイだ、君が好きなんだ」展開は凄く面白かったのですが
ドラマ版まであったんですかこれ。
私はポリコレはあまり気にしない方ですが、映画だけでもあれだけ続編出てたのによくネタ切れにならないもんですねえ。