「ユニコーン・クエスト 禁じられた森」 感想 ファンタジーではなくカニバリズムホラー

概要

原題:The Wishing Forest
製作:2018年アメリカ
発売:アマゾンプライムビデオ配信
監督:レイア・ペレス
主演:カリン・ブラウンス/ロバート・アムストラー/サミュエル・ストーリー

ブリジッドはペストで亡くなった娘と再会するため、何でも願いを叶えてくれるユニコーンを探していた。しかし、ユニコーンは食人族の縄張りの森に棲んでいるという。ブリジッドはあえて死刑判決を受けて食人族のエサになりに行き、ユニコーンを探そうとするのだった。

予告編



感想


うーん、これはひどい。
久々にクソ映画ソムリエの血が湧き立ちますね。

仮に「ビッグフットVSゾンビ」のクソ映画度を1ポロニアポイント(以下PP)と定義してみましょう。すると「フランケンジョーズ」は0.8PP、「猿の帝国」は1.4PP…などとクソ映画のクソさを非常に分かりやすく表すことができます。

で、その基準でいくと本作は0.05PPぐらいのクソさでしたね。つまり「ビッグフットVSゾンビ」のたった20倍分しか面白くないというわけです。
分かりにくいか。


本作の内容は、未亡人がユニコーンを探して森の中をブラブラしているだけ。
尺が1時間15分しかないとはいえ恐ろしくスカスカなストーリー。なのでかなり間延びしています。オープニングの60秒とエンディングの60秒を繋げればもうそれだけで済むんじゃないかなというくらいその間が無意味です。


とはいえ、ちゃんといいところもあります。
ユニコーンを探すだなんて一見キラキラしたお子様ファンタジー映画なようでいて、実は食人族の描写がやけに充実しているカニバリズムホラーであるという点です。

食人族は獲物の顔の皮をツギハギして作った面を被っているんですが、これが意外と悪くない出来なんです。エビルスピリッツのような気持ち悪さがあって、ホラー映画のメイン素材としても立派に通用しそう。というか衣装全般が実に丁寧に作られており、そこは素直に賞賛してあげたい。衣装係と小道具係の努力のおかげで、0.05PPでありながら学芸会よりもワンランク上っぽいムードを醸し出すことに成功しています。


格闘シーンも何気に迫力があって悪くない。「ビッグフットVSゾンビ」なんてお互いに優しくナデナデし合ってるのを格闘に見せようとしてましたからね。

カニバリズム描写も、腸みたいなものを引きずり出して舐め回している分だけマシと言えるでしょう。「ビッグフットVSゾンビ」なんて赤い布きれを服の合間から引っ張り出して内臓に見せようとしてましたからね。


問題は食人族の女首長で、コイツはくそ寒そうな森の中で常時半裸なうえに鹿の角を頭に飾り付けているという強烈なビジュアル。そのうえ弓矢で獲物を仕留めたら白目を剥いて変顔したり、血を胸に塗りたくったりと意味深な奇行を見せつけてくれます。こんな映画で何と崇高な役者魂を発揮しているのかと感心しました。ただ、インパクトがあるだけで特にこれといった意味はなさそうでしたが。


あと良かったのはユニコーン役の白い馬が非常に可愛らしかったという点ですね。飾りつけのちゃっちさも含めてね。どこの山か分からんけど景観もかなり良いところだし、映画ではなく「さわやか自然百景」でも観るつもりで鑑賞するのがよろしいのではないかと思います。



参考:「ビッグフットVSゾンビ」(旧ブログ)

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