「マザー・クランプス クリスマスの魔女」 感想 一見地味だが、ツチノコ級の珍作

概要


原題:Mother Krampus
製作:2017年イギリス
発売:動画配信のみ
監督:ジェームス・クラス
出演:レベッカ・J・マシューズ/トニー・マンダース/フェイ・グッドウィン

1992年、子供が連続して誘拐され殺される事件が発生。その犯人だと決めつけられ、絞首刑に処された女性モリー。だが、彼女は呪いを残していた。クリスマスに子供の魂を盗む魔女「フラウ・ペルヒタ」の呪いを…

本編

感想


アマゾンが昨年末に噴出した7つの悪魔的低予算映画、ラスト1本。

本作はあのおぞましいラインナップの中では一番地味そうなので後回しにしてまして、何ならスルーしてもいいかなとすら思っていたんですが、意外にもこれはかなりの大物でした。見逃さなくて良かった…

何がすごいってこれ、あまりにも強烈な突っ込みどころが多すぎるんです。

ただ、前半はあまり集中して見てなかったんで誤解している部分もあるのかもしれないけど…いや、もしかしたら私の方が非常識で間違ってるのかもしれないけど…

…などと自分の頭を疑ってしまいたくなるほど、この映画のトンチキさは度を越しています。
映像的にはまずまずなんですがね。





では、内容ですが…

1992年に子供が多数行方不明になる事件が起き、町民たちが勝手に疑わしいと決めつけた女性モリーをよってたかって絞首刑にしてしまう。


という悲惨な事件が発端。
しかも露骨に冤罪の臭い。


っていうか中世じゃないんだから、市民が勝手に容疑者を絞首刑に処すとかあり得んだろう。
しかもただの絞首刑じゃなくて、ナタで腹を掻っ捌いてハラワタぶちまけさせるというアレっぷり。何で誰も捕まってないの。
イギリスでは20世紀末頃までそんな残酷な私刑が合法だったというのか。



そして死に際に「クリスマスの魔女フラウ・ペルヒタ」の呪いをかけるモリー。
本編は25年後にそいつが襲ってくるという話です。



主人公は夫と別居中の中年女性バネッサとその娘エイミー。
クリスマスなので、二人で実家のおじいちゃん宅に遊びに来ています。


彼女らが出先から帰宅すると、玄関ドアに「12」というデカイ血文字が!!
何だこれは!?
が、しかし、それを見ても

「早く家に入って」
とエイミーを無警戒に先に入れるバネッサ。スルースキル高すぎ。侵入者がいたらどうすんだ?
その後、一人で血文字をゴシゴシ掃除しちゃうエイミー。それを何だと思ってんだ?
その後は普通にクリスマスムード。
通報…しない…?


一方、”クリスマスの魔女”は仕留めた獲物の皮をクッキーの型抜きみたいなので切り取って網焼きにしてモグモグしています。
こういうグルメな人間捕食シーンは初めて観ました。



で、クリスマス当日はバネッサの旦那(別居中)
なぜか浮気相手のアビーを連れて
なぜかバネッサの実家に遊びにやってきます。なぜか。
この信じがたい暴挙は一体…


さすがの私も、奥さんの実家に浮気相手を連れて行ってパーティを楽しもうとする奴なんて初めて見ました。

夫「クリスマスぐらい仲良く楽しもう!」
ってそりゃ無理ですわ。
おまけにアビーもバネッサたちに歓迎されてないことに腹を立て、

「大したおもてなしね」
とイヤミ炸裂。

しかしだな…
夫の浮気相手を実家で一体どうもてなせばいいのか?
想像したこともないシチュエーションなんですが。

これにはバネッサも

「なぜ2人が来たのか分からない」
とマジギレ。
当たり前すぎる。
本当にワケが分からん。
でも正常な人がいて良かった。


そんなカオスすぎる修羅場にいよいよ”クリスマスの魔女”が降臨!!
まずはアビーを仕留め、背中の肉を切り刻んでオーブンで加熱!!


…それはいいんですが、アビーがやられたらやられたで今度は速攻でバネッサと寄りを戻し、

「最高の夫になるよ…」
などと甘く囁く夫ウィルドン。こいつ頭膿んでやがる!
でもそれをあっさり受け入れてしまうバネッサ。
この人も結局正気じゃなかった。
っていうか何だこいつら…
未だかつてここまで最低の夫は観たことが無い。


そしてオーブンで焼かれたアビーの肉片を確認しようとして捕まってしまう夫。
そんなもんわざわざ確認する必要あるか?
しかもむりやり食わされてるし(笑)!
ここは本当に(笑)という他ない(笑)


しかもオチというか真相はもう本当に開いた口が塞がらない驚愕のどんでん返し。

いや…
納得できるわけないから…


つーか何それ?







ということで、本日は以上です。

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