概要
原題:Provodnik (The Soul Conductor)製作:2018年ロシア
発売:プルーク
監督:イリヤ・マキシモフ
出演:アレクサンドラ・ボルティチ/エフゲニー・ツィガーノフ/ウラジーミル・ヤグルチ/アレクサンドル・ロバク/ヴィチェスラフ・ラズベガエフ
幼いころ両親を亡くした少女”カティア”には「霊」と会話することができる特殊な能力が備わっていた。霊たちの思いを成就させ、生計を立てていたカティアのもとに、ある日、姉である”ラリッサ”が訪ねてくる。霊能力を信じていないラリッサはカティアがおかしくなってしまったのではと心配していたのだ。しかし、とあることから二人は口論となり、ラリッサはカティアの家から出て行ってしまう。だが家の中からは、出て行ったはずのラリッサの悲鳴が…。気が付いたときラリッサは消え、とある館の風景がフラッシュバックのようにカティアの頭をよぎる。刑事「アントン」に容疑者と疑われ追われることになるカティアだが、フラッシュバックで見えた光景を手掛かりに、消えた姉を探すため調査をはじめる。しかしたどり着いた館にはラリッサではなく別の女性たちの遺体が…。ラリッサは生きているのか?なぜ不思議なことがカティアの周りで起き続けるのか?カティアは霊たちと共に姉の生死を確かめるため、再び館へと赴く…(↑プルークHPより)
予告編
感想
何だかんだと月に1本くらいはリリースされているような気がするロシアンホラー。
内容は全く意味が分からなかったです。公式HPでは「幻想と現実の判別がつかない巧みな演出!」と宣伝されているんですが、正直そういうのが一番苦手なんですよね。判別できるようにしてほしいし、怪奇現象かと思ったら幻覚だったパターンを繰り返されても何が楽しいのか分からない。じゃあそんなもん借りるなよと言われるかもしれませんが、なるべく予備知識は入れずに借りる主義なので仕方ないんです。
しかしここで怒りに任せて「意味分からん!クソ映画乙!!」と断定的に書き殴ってしまうと、実は教養のある人にだけ分かる傑作だったりすることが稀によくあります。だからあまりこういうことは言いたくないんですが、それでもやっぱりこの映画はかなりクソだったと私は思います。
死者と対話できる特殊能力を持つ少女カティア。常に死者に付きまとわれており、死者を昇天させる業を背負っている。彼女は巷で発生している連続殺人事件に関係しているのではないかと警察に疑われていた。しかし双子の姉ラリッサがその事件に巻き込まれたと思しき不吉なビジョンを見てしまい、独自に捜索を始める。
みたいな話なんですが、ロシアンホラーなので毎度ながら映像だけはやたら力が入っていて非常に綺麗ではあります。BGMもそこそこ印象に残る。しかしストーリーにはほんと付いていけない…。
主人公カティアは死者が視えるという設定で、本編では常に3人の死者が彼女に憑りついています。その死者たちは現世に何か思い残したことがあり、それを解消してやることで昇天する。
…ってことで、嫌でも「シックスセンス」を想起してしまうお話。ウォッカを飲むと見えなくなるのが本作ならではのポイント。映像的にも生者と死者との区別がつかないようになっているので、これはまた「生きてると思ったら死んでた」ネタをやりたいのだな!と思ってそういう目で鑑賞してたんですが、まんまとスカされました。つーかあの死者たちは本筋には大して絡んでないし何の役にも立ってなかったようにしか見えなかったんですが。何しに出てきた。
それはそれとして、その辺で起こってる連続殺人事件を追う刑事のカプコフとアントン。どうでもいい人たちかと思ったら案外中心人物のようで終わってみれば別にそうでもなかったようなよく分からない立ち位置。特にカプコフはウォッカを煽りながら運転して畑に突っ込んだかと思ったらおもむろに銃を乱射し出すなどカティアよりよっぽど病んでる描写だったんですが、それに何の意味があったのか最後まで分からない有り様。恋人が殺人鬼の被害者になってしまったからかと思ったけどそれ以前から病んでるし。
アントンに至ってはコイツが犯人です。また捜査担当の刑事が犯人か。別に意外じゃないしそのパターンもうやめてくれないかな。とはいえアントン刑事が犯人というよりは彼に憑りついた悪魔が問題だったんですが、カティアに憑りついたのかと思ったらいつの間にか勝手に消滅していたという有り様。カティアの体内に侵入したはいいが、あっさり消化されてしまったということでしょうか。それにしても奴は一体何者だったのか、何が目的だったのか、一つも分からんまま終わった。
ラストではカティアに憑りついていたオッサンたちのうち一人が昇天するんですが、その昇天ぶりがラオウの最期みたいでちょっと笑えましたね。しかし、昇天はいいが宇宙までスッ飛んで行くのはやり過ぎではないのかと。何となく新興宗教のPR映画っぽく見えてしまいました。
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