概要
原題:Foxtrot Six製作:2018年アメリカ・インドネシア
発売:アメイジングD.C.
監督:ランディ・コロンピス
出演:オカ・アンタラ/マイク・ルイス/ジュリー・エスティール/ヴェルディ・ソライマン/アリフィン・プトラ
2031年、世界は深刻な食糧不足により大混乱に陥っていた。穀物大国インドネシアは世界経済を牽引するまでになっていたが、政府は腐敗し、国民は貧しいままだった。国会議員のアンガは腐敗政党ピラナスを打倒するため、革命団の仲間と共に立ち上がる。
予告編
感想
インドネシア(とアメリカ)の超スペクタクルSFアクション超大作。
ジャケット絵ではSF要素が濃いように見えますが、実際は全然そんなことなくて非常に泥臭く暑苦しい肉弾戦と銃撃戦のオンパレード。
「七人の侍」「エクスペンダブルズ」「コマンドー」「プレデター」「ザ・レイド」などのおいしいところを抽出してインドネシア風にまとめてみましたって感じ。いや、「ザ・レイド」は元からインドネシア産ですが。
国民を虐げては甘い汁を吸いまくる腐敗政党ピラナス。国会議員のアンガは自分も甘い汁を吸うため、ピラナスに対抗する勢力「革命団」の殲滅作戦を立案する。しかしあえなく革命団にとっ捕まってしまったアンガ議員は、革命団のリーダーが元恋人であると知り、いともあっさり寝返ってしまう。
「国民のため、ピラナスを打倒せねばならない!」
アンガは軍隊時代の仲間5人を集め、ピラナスの本拠地へと乗り込んでいく…
まずこの「悪の政党だった主人公が正義に目覚める」というストーリーの導入なんですが異常にあっさりしていて違和感が拭えません。革命団のリーダーがたまたま元恋人だったからってそんなサックリ反体制側に行かれても戸惑いますよ。本当に国民の事考えてたの?
しかし本作はそんなことを気にする暇もないほどツッコミどころが満載です。「細かいことなんぞ知るか!!勢いだけで押し切ってやる!!」と言わんばかりの猛烈な気合いを感じます。これぞインドネシア映画。
例えば、2031年という近未来設定なのに政府のお偉方が乗ってる車が全部現行のアルファードだったりします。いつも見慣れたピカピカのオラオラフェイス。まあ、2031年でも売ってないことはないでしょうけどね。未来感ゼロと言わざるを得ない。
あと、革命軍のリーダーが動く車椅子に拘束されて落とされるシーンがあるんですが、あんなもん倒れてしまうなり向きを変えるなりすれば余裕で助かったと思うんですよね。それなのにあんな悲壮感たっぷりに死なれてもちょっと困る。
全体的にそんな感じで非常に大味ですが、その代わりアクションシーンは良いです。
特にプレデター風の光学迷彩服を纏って襲ってくる兵士との格闘戦は目新しくて楽しめました。もうインドネシア版プレデターとか作ってほしいくらいよく出来てた。しかし、どいつもこいつも途中で光学迷彩を切ってしまうのはご愛敬か。まあ他でも銃持ってるのにわざわざ投げ捨てて肉弾戦おっぱじめたりとかそんなんばっかりですが。
ジャケにも載ってるパワードスーツは口では強敵だと言うものの、見た感じトロくさすぎるし全然強そうじゃない。色んなガジェットは出てくるものの、つまるところ肉弾戦が最大の見所と言えます。
とはいえその肉弾戦は「ザ・レイド」には遠く及ばない。まあ、国会議員だから仕方ないね。「ザ・レイド」はひたすら肉弾戦を極めた純粋な肉弾映画でしたし。それでも本作は色々と盛り沢山なぶん、トータル的にはそこそこ悪くないと思います。脳筋バカアクションが好きな人は観ても損は無いでしょう。
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