概要
原題:NIGHTMARE SHARK製作:2018年アメリカ
発売:アメイジングD.C.
監督:グリフ・ファースト/ネイサン・ファースト
出演:トニー・アメンドーラ/ボビー・カンポ/レイチェル・ブルック・スミス/ルール・ジョボービック/キャロライン・コール
子供の頃から毎晩サメの悪夢にうなされ、睡眠障害を患うエヴァ。ネットで見つけたクリニックで新薬の治験を受けてみることに。そこには、同じ悩みを持つ人々が集められていた。しかし、悪夢は収まるどころか現実にまで侵食し始める。そのサメ”カウフフ”は悪夢の世界から現実を支配しようと企む恐るべきサメだったのだ。
予告編
感想
あのマーク・アトキンス大先生と双璧を成すクソサメ映画界の重鎮、グリフ・ファーストによるクソサメ映画最新作。
本作はネイサン・ファーストと兄弟仲良く一緒に監督したようです。これはさぞかし気合が入っているに違いない、と非常に楽しみにしていました。
その前に、まず邦題に突っ込ませてください。
本作は眠るとサメの悪夢世界に引きずり込まれ、そこで喰われれば現実でも死ぬという変な話。
原題は「ナイトメア・シャーク」ですが別にそのままでも良かったのではないか。どうしても何かに便乗したいと言うならば
「エルム街のジョーズ」
月並みだがどう考えてもこれしかないし、こっちの方がおもしろそう。
しかし今さらエルム街では旬を逃していると思われたのか、なぜか「ゴジラ」に便乗。
まっっったくと言っていいほど「キング・オブ・モンスターズ」感はないんですけど。釣られた人は激怒しそう。
さらに、公式サイトの紹介文もすごくおかしい。
体長10mで潜水艦をも破壊し、弾丸よりも鋭い25cmの牙であらゆるものを噛み砕く。
どう見ても体長10mもなかったぞ!せいぜい3~4mじゃないですかね。当然のように潜水艦など出てこないし。舞台はクリニックだし。
25cmの牙って…ずいぶん具体的だが、いつ測ったのか。いやそれより「弾丸よりも鋭い」ってどういう表現なの。普通のサメも弾丸よりは鋭い牙を持ってると思うんですが。
しかし、この邦題と紹介文でもって配給会社の人が中身を見ていないと決めつけるのは早計です。
ちゃんと
カウフフは人間ではなく、現実と夢の間に存在していて現実世界を支配しようとする最恐の巨大ザメなのだ。
こう書いてある。マジメに中身を見てないとこれは把握できない。終盤で明かされる驚愕の事実ですからね。何気にネタバレ情報です。
「人間ではなく」ってのは当たり前すぎて余計だと思いますが。
前置きが長くなってしまいましたが、中身の方はいつにも増してすっげえクソなサメ映画です。
グリフ・ファースト監督の過去作「ゴーストシャーク」「フライング・ジョーズ」「シャーク・ショック」と比べても著しく劣ります。なんでかって? とにかくサメの出番が少なすぎるんですよ。トータル2~3分しか出てなかったんじゃないかな。人が喰われるシーンもほぼ皆無。それなのに、CGの出来も異常にひどい。「ゴーストシャーク」より劣るとは一体どういうことなのか。CGじゃなくて合成かなと思うくらいにクオリティが低い。
サメ以外の点に目を向けてみても、人間どもは何をしてるのかよく分からんし何がしたいのかもまるで分からん。クライマックスで「お前はもう用済みだ」ってセリフがありますが、最初から何の用事もなかったように思えてならない。サメはサメで世界を支配したかったらしいんですが、さすがに具体性に欠けます。
やけに短いエンドクレジットを見るに、スタッフの数がSYFYチャンネルのテレビ映画としても非常に少なかったようです。たったあれだけの人数でこの出来なら、むしろグリフ・ファーストを褒め称えるべきかもしれません。しかし結論としては、上級者以外は手を出さない方が無難かと思います。
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