概要
原題:Kill Chain製作:2019年アメリカ
発売:アルバトロス
監督:ケン・サンゼル
出演:ニコラス・ケイジ/アナベラ・アコスタ/エンリコ・コラントーニ/ライアン・クワンテン/アンジー・セペダ
ホテル「デル・フランコ」の一室で、とある殺し屋が狙撃される。殺し屋を殺した殺し屋は、報酬のダイヤを受け取り逃げようとするが、今度は警官2人組に襲われ殺されてしまう。さらに警官たちは警官同士でダイヤを奪い合い殺し合いになるが、最終的にダイヤを手に入れたのは警官の恋人。彼女はダイヤを持って「デル・フランコ」へ向かうが…
予告編
感想
殺し屋たちのバトルロワイアル的なアクションかと思ったら、落ちものパズルの連鎖反応的なサスペンスでした。
殺し屋Aを殺し屋Bが殺し、逃げようとした殺し屋Bは殺し屋Cに殺され、CはDに殺され。
と言う具合に、ものすごく治安の悪い国で起こる殺しの連鎖反応が描かれているわけですが。最初の殺し屋が誰を狙っていたのか等の背景が分からないまま進み、かつカッとなって殺したような奴もいたりと場当たり的。
なので、「こんな殺人が当たり前の殺伐とした国に生まれなくて良かったなあ」「銃撃しても警察来ないし、来ても汚職警官しかいないし」「こいつらよくその年まで生きていられたなあ」程度の薄い感想を抱きつつ半分寝ながらボンヤリ観ていたのですが、それが実は全てホテル「デル・フランコ」のオーナー、ニコラス・ケイジが仕組んだことだったのだ…ってところでちょっとだけ感心させられました。最近ダメオヤジばかりやってるイメージのニコケイでしたが、本作のニコケイはわりといけてます。
しかし、あの殺しの連鎖反応は結構な偶然が重なっていたわけで、それを「初めから全部仕組んでましたよ」と言われても地味に納得がいかない。そこを他の人に突っ込まれたニコケイはその都度「そうなったらプランBだ」「プランCがあった」などと別ルートの可能性をチラつかせて強引に押し通してくる。結局、何が何でも全員をぶっ殺すつもりだったわけです。そこに至った動機が重たすぎる。
それならそれでわざわざ不確実でめんどくさそうなドミノ倒しを計画したりせず、自分の手で殺した方が確実だったんじゃないかな。というか多分そのプランBとかCって「連鎖が止まったら自分が出動して消す」くらいの適当なプランだったんじゃないのかと。
そう考えちゃうと本作の唯一のセールスポイントである「殺しの連鎖反応」も別に必須じゃなかったわけで、ミステリーやサスペンスというよりはやっぱりいつもの任侠Vシネマ感が出てきてしまう。悲壮感がちょっとクサいというかね。そういうイメージが固まってしまう前に、ニコケイには裏社会から足を洗ってほしい。そんな風に思いました。
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