ここはマニアックな場末のブログですが、無駄に更新しまくっているせいかそれなりに見てもらえるようになってきたようです。それなりに。しかも、濃いマニアの方しか来ないだろうと思ってたら、意外とそうでもない人が迷い込んでくることもあるようです。
それもコロナ巣ごもりの一時的影響なのかもしれませんが、それならそれで一人でも多くの迷える映画ファンにC級やZ級、クソサメ映画の魅力を広めていきたい。
あわよくばマーク・アトキンスやマーク・ポロニアの新作に全国民の注目が集まるようにしてみたい。そのようなビジョンを持っております。
しかしただやみくもに映画の感想記事を書きまくっていると、何も知らない初心者がいきなり「デビルシャーク」に手を出してしまう等、まるで仮免許取り立ての人がステルス戦闘機で発進してしまうが如き大事故が発生してしまうことに気が付きました。というか発生しました。
これはいけない。
クソサメ映画に免疫のない人は、まずは毒性の弱いブツから摂取を始めて徐々に体を慣らしていくのが基本です。せっかくの入門希望者がいきなりデビシャを手に取ってしまうような惨劇は未然に防ぎたいのです。
そんな理由で、今日は表題の通りクソサメ映画を難易度別に分類してみました。これからクソサメ映画道に入門したいという方の参考の一助になれば幸いです。
Fランク:適性検査
「シャーク・ハンター」
「ジョーズ 恐怖の12日間」
「レッドウォーター サメ地獄」
クソサメ映画ではないが、良作というほどでもない。言わばその境目に位置する微妙な作品群。これらを面白いと思えるか、思えないかで適正や素質を測ることができるでしょう。
個人的には「シャーク・ハンター」は大好きで5,6回は観ています。今気づいたんですが、DVDめっちゃプレミア付いてますね。再生産されるとも思えないので今後も上がる一方でしょう。買っといて良かった。まあレンタル屋には普通にあるので、観ること自体は容易です。
Eランク:初心者向け
「シャークトパス」シリーズ
「ゴーストシャーク」
「ロボシャークVSネイビーシールズ」
タコとサメの合体生物兵器がエリック・ロバーツや他の合体生物兵器と戦ったり、サメが幽霊になったり、ロボ化したサメがビル・ゲイツと戦ったりする作品群。
どれも分かりやすくエンタメしている方であり、偏差値の低い映画に理解さえあれば問題なくガハハと楽しめるのではないかと思います。
ちなみに「シャークトパス」はリメイク元の「ジョーズ・アタック2」を観るのもアリです。
↑古いクソサメ映画も味があっていいものです。
しかし、この辺からまともなサメがほとんど出てこなくなります。
Dランク:初級者向け
「シックスヘッド・ジョーズ」
「鮫の惑星」シリーズ
「ビーチ・シャーク」
「シックスヘッド」は個人的にはクソサメ映画史上トップクラスの名作であり、同時にマーク・アトキンスの最高傑作と思っています。普通にかなりオススメしたい素晴らしい作品なのですが、世間の評判はいまいち芳しくないのを鑑みてこのランクに入れました。
「鮫の惑星」は満を持して例のアレをパクった、マーク・アトキンスの失敗作シリーズ。志は買える。失敗しようが何だろうが3作目の登場が望まれます。
「ビーチ・シャーク」はクソサメ映画ファンの腹筋を直撃した、これまたマーク・アトキンスの大ケッ作。主演のコリン・ネメックが非常にいい仕事をしています。しかし最近見ないけど引退したのかな。
こうしてみると、初級者にはとりあえずマーク・アトキンス監督作がおすすめと言えそうですね。クソ映画監督としての才能は業界随一だと思います。
Cランク:中級者向け
「ディープ・ライジング コンクエスト」
「ジョーズ・リターン」
「メガ・シャークVS」シリーズ
「ジョーズ キング・オブ・モンスターズ」
ポンコツさでは史上最強との呼び声も高いNU IMAGEの集大成的超大作「ディープライジング・コンクエスト」。
頭の悪さでは他の追随を許さない一点突破型の「ジョーズ・リターン」。
↑脳みそが崩壊するような感覚が味わえます。
エンタメ度は高いがクオリティがイマイチの微妙連作「メガシャークvs」シリーズ。
何もかもいまいちなボンクラ作「ジョーズ キング・オブ・モンスターズ」。
この辺の馬鹿馬鹿しさを味わえるようになれば緑帯を与えられるでしょう。
問題はまともなサメが全然出てこないことですが、「ディープライジング~」だけは貴重なリアルホホジロの資料映像(使い回し)を拝むことができます。
Bランク:上級者向け
「フランケンジョーズ」
「ハウス・シャーク」
「ジュラシック・シャーク」
「コマンドーシャーク 地獄の殺人サメ部隊」
ここら辺からはいよいよZ級の危険水域に入ってきます。
マーク・ポロニアの代表作「フランケンジョーズ」は絶大なインパクトでクソサメ映画界に大きなムーブメントを引き起こした歴史的一作です。今となっては、これを避けては通れない登竜門的なZ級クソサメ映画と言えます。
余談ですが、そんなポロニア監督の新作「ランドシャーク 丘ジョーズの逆襲」も無事に国内リリースが決まったようです。神(コンマビジョン)に感謝しながら発売を座して待ちたいと思います。
「ハウス・シャーク」はZ級ながらもめちゃくちゃ面白い良作コメディと思っているのですが、世間での評判を考慮に入れてこのランクに。独特の笑いのセンスが合う人にとっては異常に楽しめる神懸かり的クソサメ映画となり得ます。
「ジュラシック・シャーク」も世間ではレジェンド扱いですが、わりかし普通のZ級クソサメ映画なのでは?という気がしてならない。そこまでひどくないですよ、多分。
「コマンドーシャーク 地獄の殺人サメ部隊」はDVD化されてないのでいまいち知名度が低いようなんですが、こういう作品のすばらしさこそ積極的に広めていきたい。とはいえ上級者向けの難易度には違いない。
ここら辺になってくるとまともなサメどころかCGすら使えず厚紙やダンボールでの手作りになってきます。
だが、それがいい。
Aランク:好事家・マニア向け
「アイス・ジョーズ」
「ディープ・ブルー2」
「ケージ・ダイブ」
「アイス・ジョーズ」は雪山に精霊ザメが出る奇抜さもさることながら、主人公たちとは無関係の一般人が何の説明も無く何となく精霊サメ騒動を解決してしまう…という前衛的なオチでクソサメ映画ファンの度肝を抜いたカナダの野心作。
そして「ジョーズ」以外で唯一まともなサメ映画として長く語り継がれてきた超名作の続編でありながら、その大きすぎる期待を全身全霊で裏切った「ディープ・ブルー2」。これ単品で評価すればそこまで酷いとは言えないものの、背負った罪は非常に大きい。マニアと言えど素直な心で楽しむのは非常に難しい問題作です。
「ケージ・ダイブ」は個人的にはSランク級の超危険ブツであり、地獄のクソサメ映画死天王と称されてもおかしくない出来だと考えています。が、なぜか世間ではそこまで評判が悪くないようなのでここにしました。私にはまるで理解できませんが、POVが苦手でなければまあ楽しめなくもない部類なのでしょう。
あれだけ長く壮絶な苦痛に耐えても、サメがラスト一瞬しか襲ってこないという不毛さに私は発狂寸前でした。
一見するとこの辺は技術的にはハリボテ多用のZ級軍団よりも格上に見えますが、不快感や味気無さという芸術点で大きくマイナスになってしまったクソサメ映画たちです。川底の砂金よりも少ない、ほんのわずかな見どころを探求する高いスキルと精神力が要求されます。
Sランク:即身仏向け
「デビルシャーク」
「ロストジョーズ」
「ジョーズ・イン・ジャパン」
サメ映画から余計なサメや娯楽要素を極限までそぎ落とし、土の中で干からびて朽ち果てたような悪夢的存在。
恐ろしいことにこの3作全てが、アマゾンプライム会員ならば無料でたやすく観ることが出来てしまう時期がありました。2020年4月現在は「デビルシャーク」のみのようですが。これはもはやサイバーテロリズムの一種、または思想犯と捉えられてもおかしくない悪魔的所業。「デビルシャーク」をこのまま野放しにしていていいのか非常に疑問です。
プライムのせいでこの3作品の知名度が飛躍的に高まり、特に「デビルシャーク」はメジャー級の存在感を得た雰囲気すらあります。世も末だと嘆くほかない。本来素人がうかつに手を出していいシロモノではないんです。生きる気力を根こそぎ奪われる邪悪な呪物も同然。これは決して大げさな警告ではありません。
「ロストジョーズ」はデビシャやジュラシャの影に隠れていまいち話題性に欠けるようですが、はっきり言ってデビシャやジュラシャよりも殺傷力は高い。
サメに限らずとも人類が生み出せ得る最悪の映像作品、言わばクソ映画の最高峰です。
これを最後まで見通せる人はそうそういないでしょう。
そして「ジョーズ・イン・ジャパン」は総合的にはこれら全てを圧倒し得るほどの殲滅力を誇るクソサメ映画界のリーサルウェポンです。
普段大人しい我が国がなぜ突然こんな大量破壊殺戮残酷兵器を膿み出してしまったのか。
アメリカ産のクソサメ映画が実は日本の方を向いて作られているという情報もあり、我が国の闇の深さは意外と底知れないものがあります。まあ、私もその一翼を担っているわけですが。
ちなみに、アサイラムのせいで日本人がクソサメ映画好きになったという説を聞いたことがありますが、そんなことは全くありません。少なくともアサイラム創生以前、NU IMAGEの時代から既にクソサメ映画は好事家に超絶大人気でした。むしろ日本人のせいでアサイラムがクソサメ映画好きになったという方が正しい。
そんなにサメ映画が日本で人気なら、自分たちで作ってしまえばいいではないか!という考えにはもろ手を挙げて賛同したいところなのですが、出て来たブツは災厄を振りまく暗黒の産業廃棄物としか言いようがなかった悲劇。もう二度とわが国でサメ映画を作ろうなどという機運は生まれないでしょう。
ということで、クソサメ映画界の頂点は2020年4月の時点ではこの3作品です。これらに挑むつもりなら、最低でも100作以上はサメ映画を観て徳を積んでからにしておきましょう。
最後に
クソサメ映画道とはなんと険しい道のりなのか!と思ったかもしれませんが、それだけに征服した時の喜びは計り知れないものがあります。
いや、嘘つきました。
全く持って暗黒の虚無が広がるばかりの世界です。なんのメリットもありません。
それでもなお足を踏み入れたいという方に、この分類を役立てて頂ければと思います。
コメント
これまでにデビシャ、コマンドーシャーク、ハウスシャーク…と観てきましたが、まだまだ凄そうなのがいっぱいいますね。この記事を参考に追ってみます。
ジェニファーさんは美食家だったのではないでしょうか。
確かにデビシャを消化したからには既にちょっとやそっとでは
食当たりしない体質を手に入れていることでしょう。
普通に考えたらもうそんな高いリスクを負う必要はないのでは?
と思いますが、コマンドーシャークを観たくなった時点で
既にこちら側の住人になったとも言えます。
あとは本能に従うのみでもいいかなと思います。
それはもう、デビシャを世界で最も高く評価した人物と断言できます。
悪魔鮫崇拝カルト集団に入っても高い地位を得られるのではないでしょうか。
しかもコマンドーシャークとハウスシャークも既に視聴済みですとな?
…もっと早くこういう記事を書いておくべきでした。
>カトケンさん
もう二度と作られないでしょう、などとテキトーなことを言ってしまってアレですが
どうも和製サメ映画は気が進まないというのが正直なところです。
感想が聞きたいから観ろと言われれば観ないわけにもいきませんが…