概要
原題:30 miles from nowhere製作:2018年アメリカ
発売:プルーク
監督:ケイトリン・コルラー
出演:キャリー・プレストン/ロブ・ベネディクト/キャシー・シム/シーナ・コフォエド/ウィリアム・スマイリー/ポステル・プリングル/マリエル・スコット
大学教授のマックスが自殺。彼の大学時代の友人たち5名は、葬儀のためウィスコンシンの人里離れた森のキャビンへと招かれた。到着した夜には嵐に見舞われ、外界との通信が遮断されてしまう。そんな中、死んだはずのマックスが現れたり、シャワーから血が噴き出すなどの怪奇現象が起き始め…
予告編
感想
人里離れた森のキャビンで、集まったバカな若者…いや中年グループが恐ろしい怪奇現象に見舞われる話。「13日の金曜日」タイプのスプラッターホラーか、またはクローズドサークル物のミステリーなのか?
…と思ったら、そのどちらでもなかった。
このキャビンで一体何が起こっているんだ!?
…という謎で引っ張るミステリーだと思って鑑賞すると、このオチには脱力または憤激させられることでしょう。私もそうなりました。
だって、実は「恐怖が脳に与える影響」の研究だったなんて言われてもね…
つまり死んだはずのマックスが現れたり、シャワーから血が噴き出したりしたのも単なるドッキリみたいなものだったわけです。何もかも茶番だし突っ込みどころがありすぎるし、何より下らない。
登場人物がどいつもこいつもやたら性格の悪いクズやビッチばかりだったので、早く無惨な死にざまを見せてくれないかなあ?なんて期待しながら観ていたのに、一向に誰も殺されない。ホラー、スリラーとしてはサービス精神の欠如が甚だしい。何か変だなとは思ってましたが、まさかそんな安易なオチに持っていかれるとは逆に予想外でした。
…しかしまあ、クズ共のクズっぷりは結構リアルです。あんな性格の悪い奴らが揃ってる映画もなかなかない。しかも人間関係もかなり険悪。葬式のためとはいえあれほど仲の悪い奴らが人里離れたキャビンに集まるものか?…とは思いますが、クズ共の憎しみや嫉妬といった不快な感情が絡み合い交錯するクズ人間ドラマとしてはよく出来てました。
そして重要なのは、そんなクズ共の脳に恐怖を与えるとどんな風になってしまうのかということ。本作の主題はそこにあったのだと思います。
とはいえ、別にクズ共が予想外においしい反応を示すとかそういうわけでもない。至極当たり前にビビリまくって自分だけ助かろうとするぐらいでしたね。そんなん分かり切ったことだし、別にこんな面倒な実験をするまでもなかったんじゃないか。
…もう少しだけ深読みすると、あれだけのクズ共と仲間だったマックスも多分同じようにめちゃくちゃ性格が悪いはずなので、あんな嫌がらせのような悪意に満ちた実験を行えたっていう話なんですかね。そう考えるとちょっとは良い映画だったような気もしてきました。
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