概要
原題:Night comer製作:2013年アメリカ
発売:配信のみ
監督:アラン・シルヴァー
出演:マッケンジー・ロスマン/ラリー・サリヴァン/ヴィンス・コラッツァ
女子大生ロウィナは、自分の意思とは関係なく、ある時から生き血を吸う者になってしまった。気がつけば実感がないまま悪夢のような行動に手を染めている。戸惑いと苦悩が続く中、彼女は人でいられるためにどうすべきか、同類のトラヴィスに疑問をぶつけるも明確な答えは得られなかった。(↑アマゾン商品紹介より)
予告編
感想
今月からアマゾンプライムで配信の謎映画。
配給は当然 itn distribution です。
ある時から吸血鬼になってしまったロウィナは、力が弱まる昼間は物乞いをして過ごし、夜は嫌な奴を狩って血を吸う生活をしていた。しかし人間に戻りたいロウィナは、メキシコのある老婆が5万ドルでその望みを叶えてくれるとネットで知り…
みたいな話だったかと思います。
予告編だと刺激的なアクションホラーのように見えるんですが、実際はダラダラ歩き回りながら色んな人と代わる代わる会話を繰り広げるだけの大人しすぎる内容。その会話中に老子やらディオゲネスやプラトンやトマス・アクィナスなどの言葉を引用してインテリジェンスを気取りたい。そんな鼻持ちならない雰囲気満々のインディペンデント文芸映画といった趣きでした。
何を言いたいのか、何が目的なのかが曖昧としたままひたすらポエミーなモノローグと会話で場を繋いでいくので、趣旨が非常に理解しにくかったです。即物的なバカホラーが好きな私にとってはかなり苦手なノリ。起承転結も無い。
婚約者がいるかと思えば吸血鬼仲間とイチャイチャするし、大学教授と同居してたりするし、昼間はなぜか物乞いをやっててホームレスのおじさんと親友だし。その奇妙な生態には多少興味を持てなくもなかったです。
なんでそんなことしてんの?という疑問は一切解消されませんでしたが。
あと、この映画自体がロウィナへのインタビューを記録したドキュメンタリーという体なんですが、なんでそんなもんを撮ってるのかも一切不明です。
インタビュアーも「話を理解するのが大変だ」「君の説明が足りない」と文句を言ってますが、視聴者も同じ気持ちだと言いたい。ちなみにエンドクレジットの後にロウィナがインタビュアーに噛み付くところが本作最大の見どころでした。
まあ、これをエンドクレジット後まで鑑賞する物好きなどほとんどいないとは思いますが。
ロウィナの最終目的はメキシコへ行って人間に戻ることだったはずなんですが、作中ではそれは実行に移されません。ただウダウダと会話してるだけで何もストーリーが進展しないまま終わる。文芸的(?)に見れば、ロウィナの苦悩そのものをただ描きたかったのだろうと思いますが、エンタメ要素は皆無。つまり何も面白味はありません。
…とはいえ、「ドラキュラXO」とか「ヘルゲート地獄の門」みたいな生粋の極悪クソ映画に比べたらまだ全然観られる方ではありましたけどね。
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