概要
原題:I Survived a Zombie Holocaust製作:2014年ニュージーランド
発売:配信のみ
監督:ガイ・ピグデン
出演:ハーレイ・ネビル/ジョスリン・クリスチャン/ベン・ベイカー
低予算ゾンビ映画のロケ地にやってきた脚本家志望のウェズリー。だが、彼は一番下っ端の雑用係として誰もが嫌がる仕事ばかりを押し付けられてしまう。製作が遅々として進まないことに焦る監督、ワガママ放題の出演者たちによって修羅場と化していくが、そこに突如発生した本物のゾンビたちがなだれ込んでくる。
予告編
感想
ゾンビ映画はあまり好きじゃないのと尺が1時間44分と長めなのでスルーしかけていたんですが、本作は非常に楽しめました。これもアマプラ配信作品ですが久々に当たりを引いた。ほんとアマプラは玉石混合で油断ができない。
なぜ私がゾンビ映画をあまり好んで観ないかというと、「ゾンビの中心で愛をさけぶ」の時にも書きましたが、基本的にゾンビ映画はゾンビを使って何か別のテーマを描こうとすることが多いからです。ゾンビはダシをとって捨てるもの、みたいな。その結果ゾンビというモンスターは軽視しているように見えてしまうというか。私は暗喩を駆使した深遠なゾンビ映画を観たいのではなく、即物的で頭の悪いモンスター映画としてのゾンビ映画を求めているんです。
そういう観点から言わせてもらうと、本作は大変素晴らしいストレートなゾンビ映画でした。
低予算ゾンビ映画を撮影中のスタッフを本物のゾンビが襲ってくる。ゾンビ以外に描きたいものなどないんだというゾンビ愛に溢れています。ゾンビ化したスタッフが自分の内臓を喰らう珍シーンがありますが、ゾンビ映画撮影中に本物に襲われるというシチュエーションがそもそもセルフカニバリズム的でユニーク。まあそこは「カメラを止めるな!」に似ているらしいんですが、本作は2014年製作なので多分こっちが先でしょう。
前半は低予算ゾンビ映画撮影のドタバタした内幕で笑わせてくれます。本物のゾンビが出てくるまでは結構長いけど退屈しないというかむしろ前半の方が面白いかもしれない。主人公のウェズリーがまるでダメな脚本家志望の雑用係なんですが、実に絶妙なキモオーラを発しています。挙動不審で声は甲高く、若ハゲなのに体毛は異常に濃いという。
ウェズリーはいつかは自分の脚本を映画化するんだと野望に燃えているのですが、そんな彼に対して「5年も下積みをしているけど未だに監督の名前すら呼ばせてもらえない。自分の映画を撮ることなんて無理だ。悪いことは言わないから諦めろ」と語る助監督が実に印象に残りました。「自分の映画を撮る」ということがそんなにも難しいことだとは思ってもいませんでしたからね。アマプラに溢れる素人のホームビデオみたいなZ級映画を観まくっている身としてはね。今ならやる気さえあればいつでも撮って配信できるんじゃねーの…と思わざるを得ないんですよ。例えば「ハイドアウト」なんかはウェズリー君でも撮れそうなゾンビ映画だと言えます。
で、後半は実物のゾンビが襲って来て阿鼻叫喚の地獄となるわけですが、残酷描写はなかなかのものです。いいゾンビ映画を撮るためなら喜んでリアルゾンビに喰われてやるぜ!とばかりに派手な喰われっぷりを見せてくれる助監督&監督も素晴らしい。
ただ、なぜかボカシの入ったシーンが多数。銃で頭をぶち抜いたり内臓を喰らうシーンは素のままなのに、手首を切断する時はボカシ。変なルートでゾンビウイルスに感染したアレから血尿を噴射するところもボカシ。基準が全然分からん。私は別にグロ好きじゃないのでそんなに気にしませんが、スプラッターファン的には減点要素かなと。私は気にしませんが。
まあそんな感じなので、プライム会員は当然ですがそうでない人も200円払って観る価値はあるんじゃないかなと思います。
コメント
銃を持って錯乱、暴君になるかと思いきや、説得されあっさりハゲに返す
チキンハートっぽいこいつのあやふやな立ち位置がもったいなかった
私の評価は逆で、この映画はのろのろゾンビの扱いというか脅威が道具的なのと、
最後までハゲが殆ど変化しないので、ちょっと尺が長い気はしました
あと前半に醜いのと汚い要素が多かったかな…
「ゾンビスクール!」 マッチョ型がわりといい奴だった
「ゾンビーワールドへようこそ」 かっこいいお姉ちゃん
コメディだとこの二つが割と好きです。どっちも2015年か
これを見たのがもう4年近く前なので
内容についてはほぼ忘却の彼方なのですが、アマプラ配信スルーのゾンビ映画というだけで基本的に極めてロクなものがないので、正視に耐える出来というだけでも喜んでしまうんですよね。尺は確かに長めなので、これが90分くらいに収まっていればもっと絶賛してたと思います。