概要
原題:TRANSIT 17製作:2019年ベルギー
発売:トランスワールドアソシエイツ
監督:ガイ・ブレヤート
出演:ガイ・ブレヤート/ザラ・フィシアン/ダニエル・パラ/ダヴィデ・ダルバーノ/ステファニー・ヨーステン
ヨーロッパがウイルスの猛威に襲われて7年が経過した2026年。感染者は6000万人を超え、そのほとんどが死亡。フランスやベルギーなどはもはや孤立状態にあった。テックス率いるレジスタンスの戦闘部隊は、この惨状から抜け出そうと治療薬の開発に一縷の望みをかけていた。そんな時、175キロ離れた第17区に抗体を持つ少女がいると判明。第5区の反乱組である自由戦士の協力を得たテックスたちは、劣悪な環境下にいる少女ジェンを保護し、資金力のあるイギリスの父のもとへ送り届けるため、その危険な任務を遂行しようとしていた。しかしその裏では、レジスタンスの抵抗を鎮圧するべく恐るべき陰謀があった…。(↑トランスワールドアソシエイツHPより)
予告編
感想
これは何ともアレな映画でした。
非常にマッタリとしていながら、まるでコクがないアッサリ味。
説明不足で支離滅裂気味、かつ突っ込みどころが満載。
まあ、トランスワールドアソシエイツ配給作品の中ではまだましな部類ではありますけども。
「ヨーロッパがウイルスの猛威に襲われて7年…」という設定からは、うまいこと時流に乗ったウイルス映画を見つけてきたのかなと思ったんですよ。しかし、本作のそれはどうやら人工的に作られたゾンビウイルスのことでした。ほとんど何の説明もないんですが、察するにどっかの悪の組織がゾンビウイルスをバラまいて人類を支配しようと??企んでいるようです。主人公はそれに抵抗するレジスタンス組織の戦闘部隊で、治療薬を作るために抗体を持つ少女を危険区域から救出しましょうという話。
本作はただでさえ色々といい加減ですが、さらに字幕までもが何だかいい加減で、例えば悪の組織の大将を「隊長」、隊長を「長官」と訳しています。おかげで階級が逆のように見えて混乱しました。まあそれ以前に彼らがゾンビウイルスで何を企んでいたかもよく分からんので階級ごとき些事といえばそうですが。
ついでに言うとTWA公式ページに「本編73分」とありますが実際は85分あります。
…で、本作はゾンビウイルスを扱っているのだからゾンビ映画なのか?
と言われると全然そんなこともなくて、ゾンビとの戦闘は序盤で1回あっただけで終了です。戦闘だけでなくゾンビの出番自体もその1回きりで終了。あまりに短くて、これではゾンビ映画と言っていいのか激しく微妙です。ちなみにグロシーンは一切ないので安心して食事しながら鑑賞できました。
あとの見どころといえば悪の組織とレジスタンスとの格闘シーンぐらいしかない。一応味方の女性兵士がかなりアクション出来る人のようで、非常に鋭い蹴りを連発してくれるのでそこだけはまあまあ見応えがあります。そこだけは。
しかしその後は特に盛り上がりも一切なく。
物語終盤になっても「その女性兵士が昔の知り合いと偶然出くわし、自宅にお呼ばれした揚げ句今の家族を紹介されたうえ『ゲームして遊ぼう』などと提案される」などゾンビ映画のクライマックスとは思えないのんびりした展開に。
あと10分くらいしかないけどこれちゃんと収束するの?とかなり心配になりました。
公式のあらすじによれば「しかしその裏では恐るべき陰謀があった」とあるものの、そんな陰謀らしきものは最後まで一切何もない。抗体を持ってるっぽい少女を助けはしたものの、治療薬を作るところまではいかずにただ父親に引き渡しただけで終了。途中で敵に捕まった部下2人も完全スルー。これはいくらなんでもちょっと淡泊すぎやしないか。全体的に何を見せたかったのか分からんぐらい薄っぺらい。
何というか、一晩寝て起きたら全部忘れてしまいそうな映画でした。
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