概要
原題：Charismata製作：2017年スロベニア
発売：エクリプス
監督：アンディ・コーリア＆トゥーア・リアン
出演：サラ・ベッカ・マザー/ジャーミー・サッタズウェイト/アンドニス・アンソニー/ジョニー・ヴィバシュ
ある工場の地下で腐乱死体が発見される。それは内臓を抜かれ、悪魔的な儀式が行われた形跡があった。同様の事件を追う刑事のレベッカたちはこれが連続殺人事件とみて捜査するが、事件はさらに起こり続ける。工場のオーナーが怪しいと感じたレベッカは彼を監視するが、彼女自身が悪魔的な幻覚に悩まされるようになっていく。
予告編
感想
観終わってから知りましたが、世にも珍しいスロベニア映画でした。スロベニアって言われてもいまいちイメージが湧かないけど…
それにしても、お国柄がどうとか言う以前に相当アレな映画でした。
何だか色々とおかしい。いや、おかしなところしかない。
だが、何といっても一番おかしいのは配給会社エクリプスの宣伝でしょう。よくもまあそこまで虚飾にまみれた宣伝文句を並べたてられるもんだなあ…といたく感心しました。この映画を売るためにはなりふり構っていられない、そんな執念が強く感じられます。経営がよっぽど危機的状況なのかと心配してしまうほどです。せっかくだから一つずつツッコんでいきます。
事件解決に立ち上がったタフでクールな女性刑事
本作の主人公レベッカはお偉いさんの娘で、コネで刑事になったので適正がまるでありません。死体を見てはゲロを吐き、強い抗不安薬に頼り、酒に溺れて常にイライラピリピリしている神経症的なキャラクターです。全くタフでもクールでもない。
興奮度MAXのレディ・コップ・アクション！！
なんかアクション映画ということになっているらしいんですが、アクションシーンなどただの一つたりともありませんからね。ジャンルとしては多分サイコスリラーが一番近いとは思いますが、分類しにくい内容。BGMもほとんど無く淡々としていて興奮しようがないです。
本作の最大のポイントは、主人公が女性刑事であること。敵対する容疑者は女性であることを弱みに付け込んでくる。そんな展開が興奮度をさらに上昇
最大のポイントが「女性刑事であること」って…ウリとしては弱すぎないですかね。弱みに付け込まれたからと言って別に興奮しないっていうかやけに興奮度にこだわってるのはなぜなのか。全く興奮しようのない極めてローテンションな映画だというのに。
ヘックスプロイテーション映画祭では最優秀観客賞を受賞し、最優秀音楽賞にもノミネート観客賞はともかく、この映画のどこで音楽がかかってたんですかね？ ほとんど無音だったと思うんですが。エンドロールでオペラっぽい歌が入ってたけど1分ぐらいしかなかったし。
まあ宣伝についてはこれくらいにしておいて内容についてですが、悪魔崇拝儀式になぞらえた殺人が起きていてそれを情緒不安定なデカのレベッカが捜査するって感じです。しかし情緒不安定すぎて観てて非常にイライラします。周囲に当たり散らしては幻覚ばっかりみてますしね。コネで刑事になっただけあって全く刑事らしくないので捜査も何だか迷走気味です。こんなんじゃ誰も興奮できませんよ。
以下ネタバレ
しかし、ラストは誇張抜きでビックリです。悪魔崇拝儀式の結果、本当に悪魔が降臨してしまうっていう。サイコスリラーっていうかオカルトホラーだった。しかもレベッカは舌を切り取られたうえになんか悪魔的パワーでいきなりブシャー！！とミンチになって死亡！！からの即エンドロール。
…。
なんなんだよ、このオチは！！！？
…ということでこのスロベニア発の駄珍作、好事家は必見です。
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