概要
原題:Dark Light製作:2019年アメリカ
発売:インターフィルム
監督:パドレイ・レイノルズ
出演:ジェシカ・マドセン/オパール・リトルトン/エド・ブロディー/クリスティーナ・クリフォード/ジェラルド・テイラー
母の死と離婚が重なりノイローゼ気味になったアニーは、娘エミリーと共に田舎の生家へと移住することに。トウモロコシ畑に囲まれてのんびり生活できるはずだった。しかし夜になると謎の光と何者かの影に脅かされる。そしてついにはエミリーを連れ去られ、そのうえアニーは容疑者として逮捕されてしまう。
予告編
感想
ノイローゼ気味で幼子を抱えるシングルマザーが得体の知れない化け物の影におびえ、周囲には妄想扱いされてしまう。わりとよく見るタイプの話です。こういう場合、やっぱり化け物はただの妄想だったというオチで終わることが多い気がします。本作の主人公アニーも見るからに病んでる雰囲気。ずっと神経質で不機嫌そうな表情を崩さない。あまり関わりたくない感じの人です。娘が「家に帰りたくない」と言ったのは化け物が怖かったのかアニーが嫌だったのか微妙。
私はモンスター映画愛好家なので、こういう映画でも基本的に化け物は実在しているという視点で鑑賞する習性があります。何でもいいからとにかくモンスターが人間をモリモリ喰らうところを観たいんです。だから妄想オチだと人一倍ガッカリするんですが、本作の場合はさすがに妄想だろうなという印象を持ちました。私が彼女の身内だったとしても「モルダーあなた疲れてるのよ」で済ませたくなったでしょう。
その子供をさらって生気を吸い取るモンスター「ダークライト」ですが、何か元ネタがあるのかどうか知りませんがなかなか魅力的な造形です。頭から土木作業員の付けてるヘッドライトみたいな光を煌々と放っているエイリアンか地底人みたいな感じ。地下に坑道を作ってるところを想像すると本当に土木作業員みたいです。棲み処に子供を集めて保存食にしているところなんかは「ククイ 伝説のブギーマン」や「ホール・イン・ザ・グラウンド」などに似ていますが、あのヘッドライトは個性的で印象に残りますね。まあ「光ったら最期」というほどの脅威は感じませんでしたが。基本的に光りっぱなしだし。
で、ダークライトはアニーの妄想だろうと思って観ていたんですが、特にミスリードも何もなく普通に実在していましたという展開には驚きました。そんなもんいるわけねえだろと思ってたであろう警官の最期が理不尽すぎてかわいそう。それにしても、なんであんなのがアニー家の地下にいたのか。ダークライトとは一体何者なのか。陰謀論研究家まで出てきますが都市伝説上の存在であるということ以外には特に何も解明されません。つーかあの陰謀論研究家はダークライトのことを知っていて長年探し求めていたくせになす術もなくやられてしまうのはいかがなものか。習性とか弱点とか把握してても良さそうなもんですが。
ラストは一応ハッピーエンドっぽく終わってますが、証拠を全部燃やしちゃったので結局アニーは凶悪犯として追われる羽目になるのは確定でしょう。ダークライトは遠くまで追って来なさそうだし、別に燃やす必要はなかったんじゃないのかな。まあ、あまり好感の持てる人物ではなかったので別に逮捕されてもいいけど、あまりスッキリはしない。ダークライトの正体や鼻血の意味もよくわからんし多少モヤモヤが残る映画でした。とはいえ、モンスター映画が好きならそこそこ楽しめる作品かと思います。
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