概要
原題:Jump or Die/BOYNE FALLS製作:2018年アメリカ
発売:チャンスイン
監督:スティーブ・コペラ
出演:アクセル・ハーネイ/マイク・コペラ/フアン・モンサルベス/ジュネータ・セント・クレア/テヴィス・R・マーカム
エディとドミニクは音楽業界で長年コンビを組んでいたが、最近はすれ違い気味だった。そこで週末は2人で人里離れた山奥でのキャンプをすることに。ドミニクの彼女が無理やりついてきてしまったものの、ゆっくり休暇を過ごせると思われた。ところが散策中に偶然ドラッグの精製所を発見してしまい、ギャングに狙われることとなるのだった。
予告編
感想
チャンスイン配給の低予算スリラー。
そう聞くとまた一体どんだけひどいZ級産業廃棄物を投げつけられるんだろうと身構えてしまうところですが、本作は意外にも普通に楽しめる映画でした。まさかあのチャンスインがこんなマトモな映画を配給してくれる時があるとは…。
今年に入ってからのチャンスイン配給作品は「ドクターブラック」とか「タイムリミット」とか泣きたくなるほどひどい作品でしたからね。これらに比べたら本作は素晴らしく良心的なスリラーと言えるでしょう。
ただ、このやる気の無さ過ぎる安っぽい邦題はいかがなものか。同じ邦題の映画が既に存在するし、検索しにくいことこのうえない。原題もなぜか2つあるみたいでどっちが本物かよくわからないんだけど、それならそれで邦題は適当に「ボーイン・フォールズ」とでもしておけばいいんですよ。
で内容の方ですが、そんなにひねりはありません。
男女3人が人里離れた山奥へキャンプへ出かけたら、うっかりドラッグの精製工場を見つけてしまい、ギャングたちに狙われる。というだけのシンプルな話です。
見所と言えば、主人公のエディとドミニクは音楽業界で長年活躍しているものの最近は時代遅れになりつつあり、2人の中にも微妙な亀裂が入っている。そういう人間ドラマがギャングとの闘いの合間に展開されるってところですかね。
あともう一つは、ギャングのボスが「ビッグM」とか呼ばれているネエちゃんで、シマシマのTシャツにホットパンツというギャングらしからぬいで立ちで豊満な肉をユサユサと揺らしながらダッシュして襲ってくるという。全体的に地味な映画ですが、このビッグM様だけはなかなかのインパクトでした。笑った。こういう変なところで個性を出してくる低予算映画は好感が持てます。
現実にそんなギャングのボスがいたら楽しそうだなと思うと同時に、ボス自ら目撃者を率先して消そうと走り回ってくれるなんておかしいだろとか、精製工場は焼却したんだからそこまで執拗に追わなくてもいいのでは?などと色々突っ込みたくはなりますが、まあ映像的には面白いだけなので別にいいかなと。
ただ納得いかないのはエディたちを追い詰めた後の部下の行動ですね。せっかくあそこまで追い詰めたのにデレデレと訳の分からん調子の乗り方をして逆転されてしまうくだりは不自然極まりない。あいつは一体何をしたかったのか全然分かりませんでした。
まあそういう不満点はありますが、チャンスイン配給作品の中では非常に面白かったと思います。
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