「サイキッカー 超人覚醒」 感想 カメラマンがアルコール依存症

概要

原題:KILLMODE
製作:2019年オランダ
発売:アルバトロス
監督:タイス・ムーウェーゼ
出演:デイブ・マンテル/ジュリア・バテラン/ヤスミン・ブレイク/シリエル・ガッヅ/バート・ルッテマン/テッド・ニーリー

2022年、ある細菌が蔓延し3000万人以上が死亡した。人はそれを”病”と呼んだ。薬はすぐに出回ったが高額で、開発したカンパニーは世界一の企業になった。しかし、ある集団が病の元凶はカンパニーだと気づき世間に公表しようとした時、カンパニーによる襲撃が始まった…。

予告編




感想





これはひどい。ほぼ最初から最後までドンパチやチャンバラなどのアクションシーンだけしかありません。アンパンを買ったらただのアンコだったみたいな感じです。ストーリー的なものは↑の概要で書いたようなことを冒頭にちょろっと述べただけであとはほぼ何も無し。つーかその設定も”細菌”だの”カンパニー”だのと造語の一つさえ作ることもせず超テキトーにやってる感丸出しなんですが。「人はそれを”病”と呼んだ」って何だよ。何か名前つけるでしょ普通。


製作者は一体どんだけ血の気が多いんだか知りませんが戦闘以外のことには全く何の興味も無いようで、本作はひたすら戦闘・戦闘・戦闘に明け暮れています。しかし登場人物に対して何の感情も湧かないので、どっちが勝とうが別にどうでもいいとしか思えないのが致命的。

それでも、前半はまだいいです。一応それなりにお金がかかっている映画のようで、ドンパチや格闘や爆発はそれなりに本格的です。それなりに。CGもそれなりによく出来ています。戦闘しかないとはいえボンヤリ眺めている分にはそこそこ悪くないクオリティ。


しかし、後半のアクションシーンはマジでいただけない!! というのも、後半になるとカメラワークがとんでもなく酷くなるんです。ブレブレなんてもんじゃない。おそらく、いやほぼ確実にこの映画のカメラマンはアルコール依存症か何かを患っています。でも仕事中には飲めないから酒が切れて意識が朦朧として、手がブルブルガタガタ震えて止まらないのでしょう。そうとしか思えんくらいカメラがブルブルガタガタと高速で震えまくりの揺れまくりなんです。臨場感を出すとかそういうレベルではない。このカメラマンには、呑気に映画など撮ってないで病院に駆け込めと言ってあげたい。これじゃせっかく力の入ったアクションもまともに見れねえですよ。もったいない。せめて編集してる段階でさすがにこれはおかしいとか思わないもんですかね? POVでもないのに酔ったのは初めてですよ。

で、邦題の「超人覚醒」するシーンに期待しながらひたすら高速ブルブルカメラに耐えていたんですが、そこはサイキック少女がキレて叫んだら敵の一人が消滅したっていうだけ。なんという肩透かし。アルバトロスの羊頭狗肉商法もここまで来るとさすがにイラっとします。

というわけでほとんど何一ついいところのなかった本作、クソ映画マニアの方はどうかお見逃しなきようよろしくお願いします。

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