「モルグ 死霊病棟」 感想 珍しいパラグアイ産ホラーだが…

概要

原題:Morgue
製作:2019年パラグアイ
配給:アットエンタテイメント
監督:ウーゴ・カルドゾ
出演:ウィリ・ヴィジャルバ/マリア・デル・マル・フェルナンデス

スーパーでカミソリを万引きしたディエゴは、その帰り道でスマホながら運転にうつつを抜かしてうっかり人をはねてしまう。恐ろしくなってそのままひき逃げしたディエゴだったが、その夜は病院の死体安置所で警備をせねばならなくなった。すると次々と怪奇現象に見舞われ…

予告編



感想





確か今日あたりから夏のサメ映画超大作「海底47m~古代マヤの死の迷宮」が全国で公開されてるはずなんですが、私の住んでる旭川市ではどの映画館も上映してくれないんですよね。江別や釧路ですらやってるのに、なんでこの大都会旭川では上映しないのか? サメ映画ファンが何人いると思ってるのか? 激しく理解に苦しみます。おかげで電車で1時間半(5500円)もかけて札幌まで出ていかねば観ることができないんです。なんという嘆かわしき地域格差でしょうか。ありえない。

そこへいくと、この「モルグ 死霊病棟」や「キラーソファ」を配給しているアットエンタテイメントさんは実に地方民に優しいです。こうやってマイナーなホラーをオンライン上映してくれてるわけですから。地域格差の解消に一役買っていると言えます。

…が、結局家のTVやモニターで見るだけのレンタルと何ら変わりないのに1200円も取られるのはなんか釈然としない。私は1か月に20本程度の映画を観ているんですが、もしこういう形式のオンライン上映が主流になったりしたら破産してしまいます。せめて800円ぐらいにならないものか。

で、本作についてですが…
非常に珍しいパラグアイ製の心霊ホラーです。パラグアイとかサッカー以外で目にしたことがない。一体どんなお国柄なのか。

しかし、内容の方はひき逃げをしてしまったバカな若者が遺体安置所で因果応報的に心霊にひどい目に遭わされるっていう至極オーソドックスな話でした。お国柄が出てるっぽいのは主人公のディエゴ君がとてつもなく貧乏で、スーパーで当たり前のように万引きしてたりトヨタのピックアップトラックで同級生にマウント取ったりしてるところぐらいですかね。パラグアイ産が珍しいと言っても南米なのでやっぱりアルゼンチンやチリ産のホラーとかなり似通った雰囲気です。

心霊ホラーとしての怖がらせ方は、やっぱりジャンプスケア中心でした。まあ本当にビクッ!とするシーンは一か所しかありませんが。そういう意味ではかなり初心者向けのホラーかなと思います。ディエゴ君がいい感じにクズ人間なので痛い目に遭っても全く良心が痛まないし。彼女とテレビ電話してたら後ろに裸の女が歩いてたりとか、飲み物を飲んでたらコップがすっ飛んで行ったりとか微妙に笑える演出も混ざっていてそこそこ楽しめます。

「死は終着点ではない」と言い切るオチは清々しくていいですね。私も死んだら思う存分祟ってやろうかなという気分にさせてくれます。

…ということでそんなに悪くないクオリティの心霊ホラーなんですが、あまりにも普通すぎて心に刺さるところが無いし、さすがに1200円出してまで見るほどではなかったかな…というのが正直な感想でした。

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