概要
原題:invisible sue製作:2018年ドイツ・ルクセンブルク
発売:アットエンタテイメント
監督:マルクス・ディートリッヒ
出演:ルビー・M・リヒテンベルク/アンナ・シリン・ハベダンク/ルイ・エッヒハート/ヴィクトリア・マイヤー/リュック・シルツ
ヒーローコミック好きで影の薄い少女スーは、ある日母親が開発した化学物質をうっかり浴びてしまい、その影響で透明化する能力を身に着ける。しかし、今度は母親が謎の組織に誘拐されてしまう。スーは友人たちの力を借り、母親の救出に向かう。
予告編
感想
まとめ借りの数合わせで何となく借りてきたんですが、よく見たらこれは完全にお子様向けの映画でした。それもどちらかと言えば女の子向け。いい歳した野郎が一人で観るもんじゃなかった。まあ、目に寄生虫をねじ込む厭ホラーばかり観てても精神衛生上よろしくないのでたまにはド健全な作品で童心に帰っておくのも悪くないかもしれません。
…にしても、配給会社の
★舞台はまるでゴッサム・シティのようでハードボイルド! !っていう宣伝文句には笑ってしまいましたね。
ハードボイルドさのカケラもないわ。
母親が研究中の変な化学物質を浴びてしまったことで透明人間になれるようになった少女スー。しかし謎の組織に母を誘拐されてしまい、友人たちや人工知能と共に捜索するが…。
薄汚れた心を持った大人がこれを観てまず思うのは、薬品の影響で透明化できるようになったんなら服ごと透明人間になるのはおかしくないか?ということです。別に脱げと言いたいわけではなく、ちょっと都合が良すぎるのではないかと。まあ、触れた者もまとめて透明化できる能力のようなので服もその範疇だということなんでしょうけども。でもそれなら床も透明化してくれないと…
ヒーロー願望のある少女が超能力を身に着けるってことでローティーンなりにヒーローっぽいバトルでも見せてくれるのかなと思ったんですが、そういうアクションシーンは全く無し。スーが好きなコミックヒーローはスーパームーンとかいうキャラクターで、得意技はムーン・スクリーム?とのことなので多分アパッチのおたけびみたいな必殺技なんじゃないかと思うんですよね。だったら映像的には叫ぶだけで済むのでスーもそんな感じの技を出して戦ってくれるのかなと多少期待したんですが、結局攻撃手段は何一つ持たないままでした。ヒーローっぽいコスチュームに身を包んでも、ただ透明になれるだけなので身を隠すこと以外には何も使えないんです。変身能力を持った敵との戦いは透明になって背後から一撃。って感じなので戦いとも言いにくいし。
スーは純真無垢な少女なので透明人間になっても何かゲスな欲望を出してくるわけでもなく、せいぜいいじめっ子にマスタードをぶっかけるぐらいのことしかやってくれません。これではちょっと盛り上がりようがないですね。せっかく透明になれてもビルに侵入したぐらいで全然活用できてない。仲間の発明家カヤの方がよほど活躍してた気がする。
あとは何となくかっこよさげな転校生トビーとの甘酸っぱい恋愛みたいなのが盛り込まれていますが、そんなもんどうでもよすぎるので後半は眠くてたまりませんでした。ストーリー的にも山場と言えるような場面がなく平坦。
ま、これはやはり本来のターゲットである小学生女子が観るべき映画ですね…。
大人はリー・ワネルの「透明人間」を観ておきましょう。
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