概要
原題:POTALS製作:2019年アメリカ
発売:AMGエンタテインメント
監督:エドゥアルド・サンチェス/リアム・オドネル/グレッグ・ヘイル
出演:ニール・ホプキンス/ルビー・オドネル/ディアナ・ルッソ/プトレマイオス・スローカム
2020年8月、人類はブラックホールを作り出すことに成功する。それと同時に、世界中が停電。さらに世界各地に黒い扉のようなものが出現する。妻子を乗せて車を走らせていたアダムは黒い扉に衝突し、コールセンターでは何かに憑りつかれた男が従業員を扉へ誘導し、ジャカルタでは若い姉妹がゾンビに追い立てられていた。
予告編
感想
人類がブラックホールの生成に成功したら、世界各地で奇怪な黒い扉が出現した…という何だかとても面白そうなSF映画。ジャケットによればそれは人類消滅のカウントダウンなんだそうです。ということは、ブラックホールを生み出すという禁忌を犯したことで神とかエイリアンのような創造主の怒りを買ってしまった話に違いない。
…と思ったら、そもそも別に人類消滅のカウントダウンでも何でもなかった。奇怪な黒い扉の正体も目的も何も判明することはなかった。市街地も崩壊しません。要するにまたしてもジャケ詐欺ってことです。
それ以前に、本作は黒い扉をテーマにした3本の物語+エピローグ?からなるオムニバス形式の作品でした。よく見たら監督も脚本も複数人いる。まあそれはそれで構わないのですが、問題はどれも黒い扉を前に恐れおののく人間がわけもわからず酷い目に遭わされる…っていう似たような話であるうえ、ほぼ起承転結の起の部分しかないこと。
つまり、本来は「起・承・転・結」とあるべきストーリーが「起・起・起・承」で終わってしまってるような印象なんです。いやエピローグ?でも結局何も分かってないし下手したら「起・起・起・起」だったかもしれない。これはいかがなものかと。アダムの話単体なら完結してるようにも見えるけど、やっぱり何も分からんし。
この起の部分は、SF映画の導入としてはそこそこ魅力的な設定ではあります。SFで広げる風呂敷は大きければ大きいほどいいものです。これはどういう話なんだろう?どんな風に畳んでくるんだろう?というワクワク感はあります。突如現れた黒い扉を前に、妻子と片目を失った男アダムが迫られる選択とか、コールセンターで黒い扉に意識を持っていかれた男の異常な行動とか、ジャカルタの地下駐車場で黒い扉が人間をゾンビ化させたりとか。
しかしどれも別に何かオチがつくわけでもなく、なんか黒い扉のせいでそこの人がひどい目にあったというだけ。そんなのを3回も繰り返されるとああもうこれ畳む気ないな、黒い扉の設定なんか全然何も考えてないなと分かってしまう。エピローグ?も謎は全部丸投げ。いちいち説明するのも面倒だ、てめえで勝手に想像しろ…というわけです。それも情報が無さ過ぎて難しいんですが。
それでは他に何か見どころがあるのか、と言うとグロ描写なんですよね…
スキャナーズばりの頭部爆裂シーンやら両目玉えぐり出しやら。
なんでそんな悪趣味なことをやってるのかは全く分からないんですが、とにかくグロ描写には無駄に気合が入ってます。それだけのためにレンタルする価値があるか?と言ったら多分ないけど。
さんざん勿体ぶっておいてやりたかったのがそれかよという落胆を感じてしまう作品でした。
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