「ディメンション(2020)」 感想(ネタバレあり) キリストを崇めるエイリアン

概要

原題:Proximity
製作:2020年アメリカ
発売:ミッドシップ
監督:エリック・デミューシー
出演:ライアン・マッソン/ハイディ・クアン/クリスチャン・プレンティス/ショー・ジョーンズ/ドン・スクリブナー

NASAの研究者であるアイザックは、山をハイキング中に空飛ぶ円盤を目撃。カメラで撮影しているとグレイ型宇宙人と遭遇し、アブダクションされてしまう。帰ってきたアイザックは誘拐されていた間の記憶がなくなっていた。撮影したビデオを投稿すると、一躍時の人になる。しかし今度は秘密警察に拉致されてしまう。

予告編




感想


空飛ぶ円盤にグレイタイプのエイリアン…といったオカルト情報を矢追純一のUFO特番とか恐怖新聞の青の頁などで仕入れては虚空を見つめた、なんて思い出には誰しも覚えがあることでしょう。何十年も前にね。そして2020年、今さらまた空飛ぶ円盤とグレイをネタにしたカビ臭いSFオカルト映画が出てきました。空飛ぶ円盤はまだしも今どきグレイってどうなんですかね。まだ賞味期限切れてないのかな。超文明を持ってる知的生命体のくせに全裸というのがどうにも受け入れがたいんですが。



空飛ぶ円盤とグレイを目撃し、アブダクションされてしまった青年アイザック。彼はその証拠ビデオを公開し世間を騒がせるが、いまいち信じられてはいなかった。同じく誘拐された経験を持つ女性サラと出会い行動を共にするが、アイザックたちは突如秘密警察に拉致監禁されてしまう…


この映画、なんと1時間59分もありやがるんですよね。めちゃくちゃ長い。一気に観れなくて途中で昼寝しました。しかもこれ、方向性がなかなか見えてこない。アイザックはエイリアンにアブダクションされたことを世間に証明しようと頑張っている風なのですが、捏造を疑われてしまい著名なブロガーに助けを求めます。しかし、視聴者からすれば世間に事実だと証明できるかどうかなど別にどうでもいいことです。まあアイザックも途中からどうでも良くなったみたいですが。

ブロガーは政府の罠で、仲間のサラ共々秘密警察に拉致されるわけですが、どうもその秘密警察の描写がおかしい。ポンコツなストームトルーパーのようなサイボーグ軍団が使用されている。しかも銃はレーザービーム。この映画の設定は何年だったのかな…。彼らとの戦闘シーンはポンコツなスターウォーズといった風情でそこそこ楽しめます。


何やかんやあってグレイ型エイリアンとイスに座ってご対面するシーンはなかなかシュールな絵面です。見た目だけでもそうなのに、エイリアンが地球に来た目的はイエス・キリストだとか言われるともううさん臭さがMAXに。グレイたちは科学やら何やらを極めつくして宇宙の起源を探っていたらキリストにたどり着いたという。キリストは宇宙の起源に関わっていたのか。しかし、別にそれ以上の掘り下げはありません。彼らはなんか怪しげなカルト臭い空気を醸しただけで去ってしまいました。


結局、空飛ぶ円盤だのエイリアンだのキリストだなんだと言ったってそんなことは些事。
これはアイザックがひと夏の冒険を経てかけがえのない恋人をゲットするまでの爽やか青春物語だったのだ。
…みたいな締め方。
これは明らかに変です。
変だけど、まあ別にどうでもいいか…。



コメント

ハルおじさん さんのコメント…
岩石入道さんの感想面白かったです。 私も「ディメンション」をwowowで見て同じような感想持ちました。でも、テレビで見てよかったです。これ、映画館で見たらすごくダサい映画に感じたでしょう。結局。エイリアンの目的もよくわからないし、秘密警察の目的もよくわからない。ダメダメストーリーですが、その直接的で古臭い映像表現が妙に気になりました。また、時々訪問させていただきます。
岩石入道 さんの投稿…
>ハルおじさんさん

コメントありがとうございます。この記事のPVが微妙に伸びてるなと思ったらwowowでやってたんですね。新作料金で借りたら「何だこれ…」ですが、何気なくテレビで出会えたら「何だこれw」って感じるタイプのトンデモB級映画かと思います。終盤の展開は常人には胡散臭さ満点でしたが、エイリアンとキリストという組み合わせはムー読者とかあの辺のオカルトマニアには刺さる内容かもしれませんね。