概要
原題:Radioflach製作:2019年アメリカ
発売:トランスフォーマー
監督: ベン・マクファーソン
出演: ドミニク・モナハン/ウィル・パットン/ブライトン・シャービノ/フィオヌラ・フラナガン/カイル・コリン
ある日、アメリカ西部全域で停電が発生。父と2人暮らしをしているリースは、無線で山奥に住む祖父と連絡を取ることに成功する。街が無法地帯になる前にと祖父の家へ向かうが、その道のりは平坦ではなかった。
予告編
感想
原題は「RadioFlash」なのにまたひどい邦題つけられたなあ、現実のウイルス騒ぎに便乗しようだなんてトランスフォーマーはあくどい配給会社だなあ、と思ったら…
確かにロックダウンは全く関係ないんですが、それとは別に内容があまりにもアレです。映像と音楽は全国で劇場公開してもおかしくないぐらいクオリティが高いのに、脚本が残念すぎる。観客をバカにしていると怒られてもしょうがないレベルで壊滅的。
これはトランスフォーマーも売るためには何て邦題にしたらいいのか?
と相当悩んだ末にヤケクソ気味になったと思われます。
アメリカ西部全域で停電が発生し、主人公のリースと父親が2人で山奥の祖父宅へ向かう…っていう導入。しかし交通事故で渋滞してたり、うっかり行き過ぎてしまったり、自分も事故っちゃったりしてなかなか祖父宅に着かない。
尺の半分以上を経過してもリースたちは行き当たりばったりウロウロしているだけ。この映画が何を見せたいのか、何を主題としているのかが分からない。アメリカの雄大な自然が非常に美しく撮れてるのはいいんですがね。
で、父親は事故で脇腹?をケガしたけど応急手当すら拒んで歩いてたら急におっ死んでしまう。ここは観た人みんな突っ込んだでしょう。死ぬほどのケガだったんなら手当ぐらいしとけよ!そんなに急ぐ必要あったのか?祖父宅まで8キロぐらいだとか言ってたのに…。道路に戻るのも拒んでわざわざ険しい道を選んだ理由も分からんし。いい景色が撮れるからですかね。
で、親切な農家のオッサンに車に乗せてもらって祖父宅へ行こうとしたら今度は路上強盗が現われ、農家は殺され車を奪われてしまう。なんであの農家は怪しいと分かってて車を止めたのか。ただの作劇上の都合でしかない。
で、強盗の運転するままにどっかの納屋に連れていかれたと思ったら今度は突如現れたサイコ野郎に強盗が射殺されてしまう。作劇上の都合とはいえ行き当たりばったりにもほどがある展開です。
で、リースはそのサイコな一家になぜか囚われてしまい、さあ脱出できるか!みたいな話に。
何それ。
…つまり、本作は田舎へ行ったらやばい家族に出くわした「悪魔のいけにえ」系のホラー?スリラー?だったようです。偶然に偶然が重なって出会っちゃったみたいな。強盗を経由した意味は何なのか。無理やりすぎる。
大体そのサイコな一家が何でリースにあんなに執着して監禁までしなきゃならんのか分かりません。サイコババアのとってつけたようなサイコっぷりがむなしく空回りしています。
田舎ホラーとして観ても別に大した恐怖やスリルがあるわけでもなく、ぬるすぎて見どころに欠ける。唯一良かったのはクマの生餌にされそうになったシーンだけですね。妙に迫力満点なクマの映像には驚かされました。クマ物のアニマルパニック映画にすればよかったのに。とにかく映像はいいだけに内容の酷さがより一層際立ちます。まるで見た目は筋骨隆々なのに窓ガラス一枚拭いただけで息切れしちゃう人のようです。
最後まで観ても最初の停電の原因は分からずじまいのどうでも良さげだし、別に無理して祖父宅へ向かわないで自分ちに籠ってれば良かったんじゃないのと言いたくなります。リースの成長を描きたかったにせよ、都会の電力依存に警鐘を鳴らしたかったにせよ、襲ってくるトラブルがこうも場当たり的ではどうしようもない。
映像と音楽は立派ですが、話の内容だけみるとその辺のZ級クズホラーよりも劣るくらいでした。実は今までの事全てがVRゲームだったんだよ!と言われた方がマシかもしれん。クソ映画とまでは言いにくいけど相当アレな逸品でした。
コメント