「クイーンギャング 怒りのリベンジ・ライド」 感想(ネタバレあり) 女暴走族VS大学アメフト部

概要

原題:Revenge Ride
製作:2020年アメリカ
発売:アットエンタテイメント
監督:メラニー・エイトケンヘッド
出演:セリンダ・スワン/ポリアンナ・マッキントッシュ/ディエゴ・ボネータ/ヴァネッサ・デュバッソ/ジェイク・ロケット

美しく強い女バイカ―集団"ダーク・ムーン"。
はぐれ者たちが集まる最強集団に所属するマギーは、従妹のメアリーが大学アメフトチームの男達にレイプされたことに怒りを爆発させる。
ダークムーンによってクズな男たちに倍返しのリベンジを果たし、強さ、生き方に憧れたメアリーもダーク・ムーンに加入することに。
しかし、マギーの恋人がアメフトチームの男達にアジトを教えてしまい、急襲を受けメアリーは殺されてしまう。
ダーク・ムーンのボス、トリガーはかつてないほどの怒りに震え、復讐の幕が上がる!
(↑アメイジングD.C.HPより)

予告編




感想







別にホラーでもモンスターパニックでもサスペンスでもないのになぜかうっかり借りてしまった変な映画。まあ、誰しもたまに守備範囲外の球につい手が出てしまうこともあるでしょう。


しかし、こいつは私の想像を超えるアレっぷりでした。
逆に面白かった。
マッドマックス的な核戦争後の荒野で女バイカーギャングたちが暴れる映画なのかな?と思いましたが、舞台は現代のアメリカです。

現代アメリカにこんな80年代風の女バイカーギャング団がいるものだろうか?
ちょっと疑問ですが、それ以前にこの映画がアレなのはこんなタイトルでありながらあんまりバイクを使わないこと。一応アクションのラベルつけたけど何のアクションもしてないよコレ。リベンジライドって言ってるけど、バイクがただの移動手段にしか使われてないんです。
いやバイクは移動手段ってそりゃ当たり前っちゃ当たり前だけど、普通バイクと車でチェイスしながら戦うとか、バイクで取り囲むとかそういうマッドマックス的な見せ場があるもんだと思うでしょうよ。まさか何もないとは…


で、そんな女バイカーギャング「ダーク・ムーン」のお相手は大学アメフト部のスケベ野郎3人組。
なんというショボイ相手なのか!
こんなにスケールの小さい争いだとは…

ファーストコンタクトでいきなりアメフト部トリオがボコられたあげくケツに焼き印を入れられるシーンはなかなか笑えます。もうそれでリベンジ完了ってことでいいんじゃないかな。と思うんですが、そこから泥沼の復讐合戦へ突入。

一応そのアメフト部にはブライアンという善玉キャラもいて、主人公のマギーと恋仲になったりします。コレ恋愛映画かよ?ってぐらい丁寧な描写で尺を長くとってる。で、

「これから戦争になる。生き延びるには2人で街を出るしかない」

なんて大げさな悲恋物語みたいなセリフが飛び出したりするんですが、たかだか大学生3人とケンカするだけなのにお前は一体何を言っているのかと。


そしてアメフト部トリオとの最終決戦に向かうダーク・ムーン。
もちろんバイクで戦うわけではなく、ただ乗って行っただけ。
しかも最終決戦はダーク・ムーンがアメフト部トリオをたった3分ぐらいで一方的にボコって終了です。残り時間異様に少なかったから分かってたけど、それにしてももうちょい抵抗させてあげても良かったのでは…?
ボコるというか思いっきりオーバーキルしちゃってたけど、この世界には警察はいないのかムショに入る気満々なのかよくわかりません。


しかもオチが異様に後味が悪い。
なんでそんなオチにするのか意味が分からなくて唖然とさせられました。
ヒャッハー系バイクアクションを予想して観たらそんなものは一切なく、敵同士で密かに通じていた学生と暴走族の恋愛劇を見せられたあげく、暴力による復讐の陰惨さと虚しさを味わわせてくれる。
そこには爽快感やカタルシスも何も無い。

…とはいえ、予想の斜め上な展開と描写が多くてこれはこれで非常に楽しめました。


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