概要
原題:THE DARE製作:2020年アメリカ
発売:プルーク
監督:ジャイルズ・アルダーソン
出演:バート・エドワーズ/リチャード・ブレイク/リチャード・ショート/アレクサンドラ・エバンス/ロベルト・マーザー
一家団欒中、突如謎の男に拉致されてしまったジェイ。目を覚ますと、汚い小部屋に手錠でつながれていた。そこには同年代の男女3人が同様につながれており、一人は瀕死。話を聞くと、仮面を被った異常者が時々現われては拷問を愉しんでいくのだという…
予告編
感想
汚い小部屋に監禁された男女4人がサイコ野郎に拷問されるホラー。ってことで、よくある「ソウ」の亜流です。と言っても「ソウ」のような込み入った謎解きや驚愕のラスト!なんてのは全くないので、シンプルなトーチャーポルノといった趣き。つまり拷問そのものを楽しむタイプの悪趣味ホラー映画です。
邦題はなぜか「理由なき監禁」となっていますがそんなことは全くなく、主人公のジェイたち4人は少年時代にかなりひどい過ちを犯した過去があります。なので、彼らが少々キツイ拷問をされても自業自得だと思える。
しかし私は普段から上品で高尚な映画ばかり観ているので、血なまぐさい拷問の不快映像には全然慣れてないんです。「ソウ」シリーズも2作目までしか見ていません。そんな人間からすると、本作の拷問はとてつもなくエクストリームな領域にあるものでした。
口を縫われるとか、肉を切り取るとか、手のひらを釘で打たれるとかそういうのはまあいいんです。それより本作は蟲を活用した気色悪い拷問が非常に多い。まずは小手調べ的にゴキブリを飲ませてきますが、この時点でダメな人はダメでしょう。ただ、私はゴキブリという生き物を未だに一度も見た事が無いのでいまいちその嫌悪感を理解できてないかもしれません。未経験者からするとカマドウマやゴミムシやフナムシなんかと大差ないように見えるんですよね。ま、別にカマドウマだったら飲み込めるというわけでもないですが…
だから、ゴキブリよりもその後のクモ責めの方がリアルに気持ちが悪い。耳にクモを入れたり、耳にクモの卵を注入するくだりはもうほんと気色悪くてさぶいぼが出ました。前フリで妙にリアルなクモの産卵シーンを見せてくるなあと思ったらまさかそんな厭らしい拷問の仕方があったとは…。
だがそれさえも前座に過ぎず、メインディッシュの拷問はさらにドギツイから驚きです。それは眼球にナイフで切れ目を入れ、そこに寄生虫を流し込むというおぞましすぎる方法。これはえげつない。よくそんなアイデアが出てくるもんだなあと感心しました。その後めちゃくちゃ痛い思いをして眼球をむしり取ったのに、それがすぐ無駄になってしまう無慈悲っぷりにはもう笑うしかない。ただ、そこまでされてもあんまり気の毒な感じはしませんでしたが。それぐらい彼らの少年時代は悪辣だった。
最後は意外にも(ジェイ視点では)すっきり後味良く終わらせてくれたのかと思いきや、ちょっと珍しい形でのバッドエンディングに持っていったところはなかなか良かった。まあ私には拷問を愉しむ趣味はないんですが、それなりに最後までハラハラさせてくれたので悪い映画ではなかったと思います。
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