「アポカリプス・ロード 戦闘女子」 感想(ネタバレあり) 戦闘女子というより狂暴女子

概要

原題:APOCALYPSE ROAD
製作:2017年アメリカ
発売:アマゾンプライムビデオ
監督:ブレット・ベントマン
出演:ケイティ・コーラー/アシュリン・マクエバーズ/ランス・デ・ロス・サントス

人々が殺し合い、死体の山が築かれていく中、姉妹たちは希望を求めて海岸へと向かう。救いが来る確約もない中、必ず生き延びることができると、時に人間としての尊厳を試されながらも歩き続ける。離れ離れになってしまった姉妹が混終末世界で生き抜く姿を描く戦慄のサバイバルスリラー!
(↑アマゾン商品紹介より)

予告編



感想





もはや毎度おなじみとなった感もあるアマプラ発の地雷映画。
「戦闘女子」とかインパクトのある邦題で思わず釣られてしまいましたが、特に戦闘と呼べるほどのバトルシーンは存在しません。せいぜい行き倒れのジジイを棒で殴るのと、追ってきたスナイパーにシメられるぐらいです。アマゾンによると

「近未来に訪れた終末世界を描く衝撃スリラー!」

…だそうなんですが、説明がなさ過ぎて何がどうなって終末世界になってるのか全然分かりませんでした。大体、アマゾンに載ってるあらすじもやけに曖昧なんですよね。本編が説明不足だとよくあるパターン。見えてる地雷です。



分かったのは何かの刻印を押された国民が暴動を起こしていて警察が問答無用で撃ってくるらしいのと、海岸へ行けば船がやって来て救われるらしいということぐらい。

…で、主人公の姉妹は2人で海岸を目指していたが、姉が何者かに膝を撃たれて倒れ、離れ離れになってしまう。姉は助けてくれた親切な男と再び海岸を目指し、妹の方は変なチンピラトリオに捕まって強引に仲間にされてしまう。


どうでもいいけど、主人公姉妹の顔が不美人なのは仕方ないにせよ、お肌がやたら汚いのが気になります。ソバカスなのかニキビ跡なのか知らんけど。それだけならまだしも、他人の血しぶきが顔面にかかってもなぜか一切拭かない。終末世界では汚いのがリアルだとしても血ぐらい拭えと言いたい。

で、姉の方に同行していた親切な男が「君は美しい」とか何とかあからさまなお世辞を言ったりするんですが、それにブチ切れた姉は突如金属バットで親切な男の後頭部にフルスイングかました挙句、縛り上げて警察?に引き渡して射殺させてしまう。

仮にも命の恩人に何というムゴイ仕打ちをするのか。理不尽すぎる。ちょっと下手なお世辞を言われたぐらいで何でそんな恐ろしい凶行に走らねばならないのか。
戦闘女子だからか?


あとどうでもいいけど、前日に膝を撃たれた傷が急に全快して元気に全力疾走します。
さすが戦闘女子。

さらにどうでもいいけど、殴られた親切な男の妻の名前は「デブ」だそうです。アメリカ人の女性名にそんなのあるのか。苗字との組み合わせによっては
「デブ・キング」
とか
「デブ・マクドナルド」
みたいなフルネームになってしまいますね。
だから何ということもありませんが…


で、妹の方は変なチンピラトリオに脅されてむりやり仲間にさせられてしまうんですが、最後の方ではなぜか本当の仲間になってるような雰囲気になり、チンピラと共に海岸へ向かおうとします。まあチンピラは追ってきたスナイパーに射殺されるんですが。

このスナイパーもなんで姉妹を追ってきてるのかさっぱり分からなくて、雇い主のセレブおばさんが「新しいオモチャよ」みたいなことを抜かしているのですがいずれにせよ何も分かりません。自分の理解力に自信がなくなってきました。

終盤、やっと海岸に辿り付いた妹がスナイプされるんですが、スナイパーはそのまま姉もスナイプすればいいものをなぜか銃を捨てて素手で葬ろうとして返り討ちに。ここだけは唯一戦闘女子と言ってもいいかなと思えなくもないかもしれません。まあ戦闘と言ってもほぼ首を絞め合うだけなんですが。


妹の方が堕胎した過去を悔やんでおり、娘の幻と寄り添っているところに花びらが降ってくる描写などを観るに「衝撃スリラー!」などではなくまじめな文芸映画のつもりで撮ったものと思われます。私としては罵声を浴びせたい気持ちになりましたが、映像的には悪くないので文芸的なポストアポカリプス作品が好きな人ならもしかすると楽しめるかもしれません。

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