「TENET テネット」 感想 何も分からないという驚異の映画体験

概要

原題:TENET
製作:2020年アメリカ
配給:ワーナー・ブラザース
監督:クリストファー・ノーラン
出演:ジョン・デヴィッド・ワシントン/ロバート・パティンソン/エリザベス・デビッキ/マイケル・ケイン/ケネス・ブラナー/アーロン・テイラー=ジョンソン/クレマンス・ポエジー

あらすじ:わからん

予告編


感想


邦画とアニメ以外なら何でもいいからとにかく映画館で何か観たい…
という欲求が高まってしょうがなかったので予備知識ほとんど無しで本作を見に行ったら、見事に撃沈しました。


私は普段B級~Z級映画ばかり観てはいますが、一応クリストファー・ノーラン監督作品も「メメント」「インソムニア」「ダークナイト」「インターステラー」の4つは観てるし、特に「メメント」は結構好きな映画なので時間逆行をテーマにしているらしい本作も全然問題なく楽しめるだろう…と思ったのにここまで見事に置いてけぼりを食らってしまうとは…。本作はもう始まってすぐに置いていかれてしまい、そのまま150分間丸々チンプンカンプンなまま画面をボンヤリ眺めることしかできませんでした。理解度は多分10%もないくらいです。こんなの初めて。


この映画、尺が150分超えと非常に長いんですがテンポはかなり速く、私が内容を咀嚼する間もなく次から次へとさっさと展開していってしまうため理解しながら観ることを放棄せざるを得ませんでした。例えるならルールを知らないスポーツの試合を観戦していたような気分です。


それにしても…本作は世界的に超大ヒットしているらしいですが、こんなわけのわからん難解なパズルのような作品を一回見ただけで理解できる人が一体どのくらいいるというのでしょうか。クリストファー・ノーラン監督も2億2500万ドルという天文学的な製作費をかけてこんなにも理解しにくい映画を作ってしまうとはもう何を作っても許される存在なんだなと思うと同時に、それでも喜んで受け入れる観客が世界中に大勢いることに驚いてしまいます。


ストーリーはどうやら時間を逆行する装置を駆使して第三次世界大戦を防ぐために何やかんやするみたいな話というのは何とか分かるんですが、それよりもまず主人公が何者なのか全く分からないんですよね。どこの組織の人間なのかも分からないし何なら名前すら出てこない。だからなんでそんな御大層なミッションを課せられたのかもよく分からないし、何でそれをすんなり引き受けて一生懸命遂行しようとしてるのかも分からない。何も分かりません。まあそういうもんだと思って観るしかない。


主人公については置いておいても、ミッションを引き受けた後の展開も非常に分かりにくい。ロシアの武器商人セイターが時間逆行装置を持ってて、主人公はセイターの奥さんに近づいたり、セイターの金庫に侵入したり、セイターと一緒にセーリングをやったりと何か色々やって装置を奪おうとしてるみたいなんだけど、セイターが死ぬと何だかまずいことになるみたいなんです。で、時間を逆行しながら奪い合ってるし映像的には何か途方もなく凄いんだけど、私としては混乱の極みで一体どうすれば何がどうなるのか全然分からん。


ただ、ストーリーについていけないからと言って楽しめないのかというとそんなことはなく、さすが2億2500万ドルもかけただけあって超絶ド派手なアクションシーンがバカスカ繰り広げられるため私のようなボンクラでも映像的快楽を得ることはできました。それもただ金をかけただけの単純なアクションではなく、時間を逆行する敵との戦いなので逆再生混じりの複雑怪奇で斬新なアクションシーンです。わけわからんことをやりたい放題しつつもボンクラもしっかり熱狂できるようにしてあるのがノーランのすごいところなんでしょうか。


とはいいつつも、仕事上がりのレイトショーだったせいもありクライマックスの時間挟撃作戦のあたりではついウトウトして色々と見逃してしまいました。ドッカンドッカン爆発が逆再生してることしか分からなくて一体何をどうする作戦なのかもまるで分からなかった。

なんか分かんねえ分かんねえ言ってるだけのしょうもない感想文になってしまいましたが、分かんないんだからしょうがない。2回3回観るのが前提の映画だとは思いますが、150分以上もある超大作を映画館で繰り返し繰り返し見るってのもなかなかしんどい。ブルーレイの廉価版が出たら手に入れて繰り返し見てみるのもありかなと言ったところです。ただ映像とサウンドの凄さは映画館で鑑賞すべきものであるのも間違いないから困る。やっぱり映画館でリピートすべき作品ですね。私はそこまでしませんが。





↑音楽は大変良かったので帰ってきてすぐサントラを購入してしまいました。
デジタルだとすぐ手に入るし1100円と非常にお安い。
いい時代になったものだ…

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