「ディープ・ブルー3」 感想(ネタバレ) シーマゲドン勃発

概要

原題:DEEP BLUE SEA 3

製作:2020年アメリカ

発売:ワーナー・ブラザース

監督:ジョン・ポーグ

出演:タニア・レイモンド/ナサニエル・ブゾリック/エマーソン・ブルックス/蒼れいな


エマ博士とそのチームは、リトル・ハッピー島で気候変動がホホジロザメに与える影響について研究していた。そこにサメ神経学者のリチャードたちがやってくる。彼らは研究所から逃げ出したオオメジロザメを探しにやってきたという。だがそのオオメジロザメは遺伝子操作により知能と攻撃性を飛躍的に高められた脅威のサメたちであった。


予告編

感想



あの「ディープ・ブルー2」から2年、早くも3作目の登場です。

1作目はサメ映画を語る時「ジョーズ」に次いで名前が挙がるくらいの名作中の名作。しかしその19年後に作られた続編は普通にイマイチな子…と言ってもクソサメ映画ってほどではないんだけど、正統続編とも認めにくい微妙な低予算DVDスルー作品でした。


なので私の中では「2」は「2」でも「ディープブルー・ライジング2」みたいな位置付けの作品として認識しています。サメ映画界のレジェンドである1作目と比較しちゃいけません。あれの続編だと思わない方がいい。


当時の感想:「ディープ・ブルー2」(旧ブログ)



ということでその続編である本作には全くと言っていいほど期待していなかったんですが、前作よりはだいぶ面白かった。これならサメ映画全体でみても平均より上のクオリティではないかと思います。これは「レッドウォーター サメ地獄」を観た時の印象に近いかな。


モザンビーク沖に浮かぶ小さな島リトル・ハッピーでホホジロザメの研究をしていたエマたち。だがそこに前作でアケイロスから逃げ出したオオメジロザメ3匹がやってくる。それを追ってきたサメ神経学者リチャードたちによると、そのオオメジロザメは遺伝子改造されて知能と攻撃性が著しく高められているという。



本作の製作費は推定約500万ドルらしいですが、前作のチャチすぎる舞台に比べるとそこそこ本格的なセットが組んであり多少のグレードアップが見て取れます。「鮫の惑星」っぽい海上の村が舞台です。おそらく前作は1作目のネームバリューでそこそこ稼げたんでしょうね。サメの出番は相変わらず少な目ですが、それでも前作よりは多いしCGの出来も極めて良好。


また、実際に海に潜って撮影しているシーンがかなり多く、前作よりかなり本格的な海洋サメ映画のような様相を呈しております。というか最近のサメ映画のサメは海に出てくることが本当に少ないので…。


オオメジロザメは淡水でも海水でも活動できるのでわざわざ海へ行きたくない製作者にとっては非常に都合が良く、川とか湖を舞台にしたオオメジロザメ映画が一時期乱発されました。…今となってはさらなる省エネ化が進み、陸地がサメの主戦場になったので川や湖に行く必要すらなくなりましたが。なので、あえてオオメジロを海に出す映画は二重に珍しいんですよね。まあ前作もそうだったし、だから何ということもありませんが。



しかし本作、中盤になってくるとサメよりも人間同士の争いがメインのようになってきてしまいます。これもサメ映画では非常にありがちなことではある。それにしても、オッサン同士の格闘アクションまで入ってくるともう何を観てるんだか分からなくなってきます。わりと本格的な回し蹴りを連発してくれるのでなかなか見応えがあるっちゃあるんだけど。しかし回し蹴りもいいけどもっとサメを出せよと言わざるを得ない。



そういうのもあって「レッドウォーター」っぽい印象になったんですよね。まあ赤くはないけど。全体的に一昔前のサメ映画っぽくてオリジナリティには欠けてます。本シリーズのサメは遺伝子改造された知能の高さがウリなんだけど、相変わらずジャンプして人に喰いつくぐらいで別に大してかしこい行動もしませんからね。


なので、本作は「ディープブルー・ライジング3」というより「ディープ・ライジング3」のつもりで観た方がいいかもしれない。ディープなサメ映画マニアにしか通じない例えで申し訳ございません。


ただ、主人公エマとオオメジロザメの最終決戦はゴミ処理機の中で繰り広げられる…というサメ映画でもあんまり見た事のない状況でのバトルでそこそこ満足できました。サメ映画ファンなら本作を見逃すこともないでしょうが、それ以外の人でもまぁまぁそれなりに楽しめる無難な仕上がりではないかと思います。



…あと日本人の方が出てるのが売りになってますが、意外と扱いがいいんですよね。やっぱり日本はサメ映画の重要なマーケットだからでしょうか? とはいえ下手に生き残るより思い切りよく喰われちゃった方がかえってオイシイと思うんですがね。



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