「愛と欲望の毛皮」 感想(ネタバレあり) アライグマの怨念

概要

原題:PELTS

製作:2006年アメリカ

発売:角川

監督:ダリオ・アルジェント

出演:ミート・ローフ/ジョン・サクソン/リンク・ベイカー


強欲な毛皮商人ジェイクは、目当てのストリッパーを口説くために最高の毛皮を求めていた。ある時、ジェイクは奇妙な経緯で極上のアライグマの毛皮を手に入れる。これでコートを作れば欲望が満たせる。そう考えたジェイクだったが、その毛皮はアライグマたちの強力な怨念がこもった呪いの毛皮であった…


予告編

感想



何となくダリオ・アルジェント監督作が見たくなったので借りてきました。


年老いてからのアルジェント(特に「デス・サイト」以降)はなんかイマイチ、というイメージがあってあまり観てなかったんですが、本作はかなりスゴかったです。シンプルだけどなんじゃそらなストーリーにエクストリームなスプラッター描写。本作は映画ではなくテレビドラマなので尺は1時間しかありませんが、あんまりなグロ祭りにお腹いっぱいになりました。



強欲な毛皮商人ジェイクが手に入れた極上のアライグマの毛皮。

しかしその毛皮にはアライグマたちの恐ろしい怨念が込められており、手にした者が次々と悲惨な死を遂げていく。


アライグマの呪いによって人が死ぬ…というファンシーなストーリーはまあ置いといて、とにかくその死に様が極めてエグい。トラバサミに顔を挟んでしまう若者、腹をハサミでジョキジョキ切ってモツを取り出すオッサン、目鼻口を全部縫い合わせて窒息死するおばさん等々、この作品でしか観られないような独特な人体破壊描写だらけ。可愛いアライグマを毛皮にしてしまうようなクソ野郎共は無残な死を遂げよというわけですね。私は毛皮製品など欲したこともありませんが、これを観たらますます毛皮のコートなどおぞましいものにしか見えなくなってきました。



しかしそんなのはまだ前菜に過ぎず、クライマックスにおけるジェイクの発狂っぷりがまたとんでもないことになっております。その前にまず私のトラウマ映画の一つ「アーバンエクスプローラー」というドイツ映画について触れておきたい。これはベルリン地下のバンカーを探索していた若者たちが殺人鬼に襲われるという内容なんですが、主人公と思われた若者のやられ方がとんでもなくムゴかったんですよね。腹からナイフでぐるりと切れ目を入れられ、そのまま「シャツを脱がす」ようにメリメリと生皮を剥がされるっていう。あれは本当にキツかった。



で、呪いで発狂したジェイクはそれを自分の体でやってしまうという恐るべき絵面が展開されます。それも明るいところでジックリ映してくる。これはあの「アーバンエクスプローラー」を完全に超えてしまった。トラウマが上書きされた。なんてものを見せてくれるんだ。


しかもそのジャケット型に剥がした生皮をストリッパーに着せようと追いかけ回すという地獄のようなクライマックス。ただ映像的には凄まじくグロいんですが、嫌がって逃げるストリッパーに対して


「すごいだろうが!」


と叫ぶジェイクには思わず微笑んでしまいました。

確かにすごいよ、色んな意味で。

やはりダリオ・アルジェントは天才であると言わざるを得ない。

改めてそう思わされてしまうケッ作でした。

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