「ジャスティス 百戦錬磨の女」 感想(ネタバレあり) エリック・ロバーツで時間稼ぎ

概要

原題:Relentless Justice

製作:2015年アメリカ

発売:アマゾンプライムビデオ

監督:デヴィッド・A・プライアー

出演:ヴァーノン・ウェルズ/リサ・ラングロワ/デヴィッド・キャン/テッド・プライアー


元特殊部隊員で今は総合格闘技ジムのオーナーであるヴィクトリアは、湖畔で行方不明になった娘を捜索していた。だが、その田舎町では腐敗した町長や保安官が人間狩りを愉しんでおり、ヴィクトリアの娘はその犠牲になっていたのだ。怒りに燃えるヴィクトリアは逆に彼らをおびき出し、一人ずつ狩ってゆくが…


予告編

感想



アマゾンプライム配信のC級アクション映画。


監督がデヴィッド・A・プライアーってことで、多分「獣人プレデター」と同じ人です。

となると、今度はどんな凄まじいZ級クソ映画を見せてくれるのか? 


…そんな歪な期待に鼓動が高まりましたが、本作はアレよりはまだマシなクオリティでした。まあ、あれほどまでに酷いクソ映画をひり出すのも逆に困難かとは思いますが。というか調べてみたらこの人かなりキャリア長いんですね。1985年から映画監督やっててどうして「獣人プレデター」のようなゴミクズを撮れるんだ?


本作はアレよりマシとはいえ、それでもかなり酷いクソ映画であることは間違いありません。



ある田舎町で人間狩りを楽しんでいる町長や保安官などのゲス野郎グループがいて、その犠牲になってしまった若いカップル。元特殊部隊の母親ヴィクトリアは娘の仇討ちのため、ゲス野郎グループに天誅を下していく。


ヴァンダムやラングレン主演作でよくありそうな単純な筋書きのお話ですが、横道にそれてる時間がえらく長いのが問題です。


人間狩りが趣味の町長はどっかのマフィアであるエリック・ロバーツとビジネスの取引をするんですが、これが本筋とは全く何も関係がないのに異様なほど長くダラダラと描写されます。何ならエリック・ロバーツがスパイを粛正するシーンまでありますが、そもそもエリック・ロバーツがヴィクトリアと関わることは全くないので本当にいらないシーンとしか言いようがない。つーかエリック・ロバーツ自体がこの映画に全く必要ない。彼にカメオ出演を頼んだら「ヒマだから出演シーン増やしてもいいよ」とか言われて喜んで出番を増やしまくった結果こんなおかしなことになってしまったのではないかと。マジメに観てたら相当意味不明な内容に感じるでしょう。クソ映画によほど耐性のある人じゃないと怒りますよこんなの。



そんなこんなでヴィクトリアが人間狩りチームと戦い始めるのは1時間10分を過ぎてからです。あまりにも遅い。そしてショボイ。あれだけエリック・ロバーツで時間を浪費した挙句、あんなペチペチとヌルイ格闘をされても「おいおいふざけんなよ」と文句の一つも言いたくなりますよ。



こういうのは主人公がスカッと悪党どもをなぎ倒して気持ちよく終わることが肝要かと思うんですが、エンディングは無駄に後味悪いです。娘があっさり銃殺されたものどうかと思いましたが、なんでそういうひねくれ方をしているのか。さすが「獣人プレデター」などという超弩級のクソ映画を撮っただけあってアレな監督ですなあと言わざるを得ない。


まあそんな感じなので、クソ映画マニア以外は手出し無用の戦略核地雷と言ってもいいでしょう。

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