「オフィサー・デッドエンド」 感想(ネタバレあり) 一体何がデッドエンドなのか

概要

原題:Chased

製作:2018年アメリカ

発売:アマゾンプライムビデオ

監督:ブルース・R・トロクセル

出演:レイ・ホッパー/トロイ・ランド/ファン・アレマン


保安官のビルは森を見回り中に不審な車両を発見する。持ち主のグループに話しかけようとすると、いきなり銃撃戦となってしまう。彼らはそこで酒を密造していたのだ。ビルは山へ逃げ込むが、追手の1人は追跡のプロであった…


予告編

感想



保安官と密造酒製造グループとの命を懸けた戦い!

決死のサバイバル・アクション衝撃作!


…ということで、一見シリアスな映画のようにも見えます。が、実際は非常にほのぼのとした微笑ましいコントのようなムードのZ級映画でした。IMDBには製作費推定20万ドルとありますが、おそらく2万ドルか2千ドルの間違いでしょう。なんせ映像的にはひたすら山の中をウロウロしているだけだし、銃撃戦やBGMのノリがゆるすぎて貧乏臭さが半端ない。



この保安官、朝食抜きで腹が減ったと言いながら密造酒グループのドーナツを盗んで食ったり、川を泳いでいる魚を手掴みで捕まえて食ったりと追われているわりに緊張感のかけらもありません。密造酒グループの方も保安官を殺そうとするほどの極悪集団のはずですが、その辺のオッサンオバハンを集めてきただけの町内会かなんかにしか見えない。ゆるい。



そんな彼らが駄弁りながら山歩きしているホームビデオ的映像を延々と見せられるわけですが、案外眠くなることもなかったです。変に凝ってかっこつけたり背伸びしていないのがイイ。こういう飾り気のないストレートなZ級映画には好感が持てます。



町内会的な密造酒グループの中でも、保安官の追跡を担当する「ロードランナー」なる男だけは異常に有能で笑えます。山の中で道なき道を歩く保安官のどんな細かな痕跡も見逃さずにどこまでも的確に追ってくる。保安官が魚を手掴みしたことまで見抜き、自分はもっとでかい魚を捕まえる。川の中を歩いて痕跡を消してもなぜか行き先が分かる。枯れ木の枝に血がついてたら「足をケガしたはずだ」となぜか部位まで分かってしまう。



こんな恐ろしい追跡者から逃げ切れるはずがない。

しかもコケて足をケガしてしまった保安官は疲労も重なり、気絶してしまう。

これは絶体絶命のピンチか!?



…と思われたクライマックス。

保安官は山奥に棲むパピーワグスなるヒゲモジャのじいさんに助けられます。

だがパピーワグスの家を取り囲んだ密造酒グループが一斉に銃撃を開始!

大ピンチには変わりがない状況。

でもパピーワグスはのんびりパンを食べています。

この余裕は一体どういうことなのか?



…と思ったら、ビッグフットの着ぐるみを着たバカ強いオッサンが突然現われて密造者グループをあっさりと一網打尽に!!



彼はパピーワグスの心優しい同居人だったのだ。

銃も通じない固い皮膚をお持ちの超人なんだとさ。

メデタシメデタシ。




何だそりゃ!!



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