「ゾンビワールド」 感想 不謹慎の極み

概要

原題:ZOMBIEWORLD

製作:2015年アメリカ

発売:アマゾンプライムビデオ

監督:ジェシー・バゲット

出演:ビル・オバースト・Jr/マーク・ヴェラスコ/ノエ・ブランカフォート


世界中に蔓延るゾンビによって人類は滅亡の危機に瀕していた。10時のニュースでキャスターを務めるマービン・グロウトは自身もゾンビ化しながらも世界各地の状況をお伝えするのであった。


予告編

感想



11/28からアマゾンプライムで配信開始のゾンビ映画。

絶望と暗黒の「itn distribution」印。

ここんところアマプラ映画のitn率が異常に高いというかほぼitnしかない現実に打ちのめされております。でも他に観る物がないので観ます。



とはいえ結論から言うと、本作はそこそこましな方でした。

1時間40分のゾンビ映画ですが普通の長編映画ではなく、アポカリプス後の世界でとあるニュース番組が世界各地の状況を伝えるという形での短編映画集になっております。


短編ゾンビ映画として素晴らしく出来のいい作品が最初と最後に一つずつあり、それだけは観る価値がありますが、それ以外のやつはほぼ全部虚無なので大体寝てました。なので、これから観る人は最初と最後だけ観ておけば充分だと言っておきます。



で、その出来がいい短編についてですが、まず最初のはイエス・キリストがユダと共に魚を武器にしてゾンビ軍団と戦うというもの。多分敬虔なクリスチャンがマジ切れして本作のimdbのスコアを下げまくっているのではないかと思われますが、別に信仰心も何もない人にとっては非常に面白い作品です。なぜかピラニアやカジキなど様々な魚を具現化してゾンビに投げつけたりぶつけたりしてゾンビ軍団を過剰なゴア描写で肉塊の山に変えていくキリストの姿はある意味崇高であり、むしろこっちの方が信仰の対象としてふさわしい存在ではないでしょうか。ゾンビ映画でキリストが活躍する映画と言えばオラフ・イッテンバッハの「新ゾンビ」がありますが、本作はゴア表現の質・量ともに「新ゾンビ」にも負けない出来栄え…かもしれない。これはゾンビ映画ファンなら一見の価値があるかと思います。



1発目がそんな良い短編だったので、もしかしてこの映画はすごい良作なのでは?と思ったのですが、その後しばらくは箸にも棒にも掛からないようなどうでもいい短編がダラダラ続いてしまってガッカリでした。



しかし、最後の短編は最初のにも負けないくらい良かった。どっかの海水浴場でハゲのオッサンがゾンビをぶっ殺しまくるという内容なんですが、何というかまたしても武器が異常にユニークです。その辺にあった子供の死体の足を掴んで振り回してゾンビに叩きつけて肉塊に変えていくっていう。まあそれだけなんで特に語ることもないんですが、展開される絵面の凶悪さはピカイチです。最初のキリストと合わせると、これほど不謹慎な映画もそうそうないと思いますよ。


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