「BURN/バーン」 感想 サイコ喪女の暴走

概要

原題:BURN

製作:2019年アメリカ

発売:ブロードメディア・スタジオ

監督:マイク・ガン

出演:ジョシュ・ハッチャーソン/スーキー・ウォーターハウス/ティルダ・コバン=ハーヴィー/ハリー・シャム・ジュニア


24時間営業のガソリンスタンドで働くメリンダは、外向的でビッチな同僚シーラに比べてモテないことに鬱屈した感情を抱えていた。そこに、バイカー集団に追われている青年ビリーが強盗にやってくる。メリンダは金庫の金を渡す代わりに自分も連れて行けと迫るが…


予告編

感想



ガソリンスタンドで派手なビッチと一緒に働いている店員のメリンダは、喪女をこじらせすぎてサイコな領域にまで行ってしまい、強盗に入られたことを切っ掛けにその変態性が爆発してしまう。



みたいな話だったかと思うんですが、病んでる女の子の内面についてあれこれ考えを巡らせなければならず、正直難しくてよく分かりませんでした。


メリンダは同僚でビッチなシーラみたいに彼氏を作ったり客と仲良くしたいのに挙動不審で不美人なために誰にも全然相手にされず、日々熱いコーヒーで指を焼くようなサイコメンヘラになってしまったようです。自分は嫌な仕事も進んでやり、客には親身に話しかけても冷たくされるのに、ビッチには見た目だけで人が寄ってくる。それ自体は気の毒ながらもよくある話だし、メリンダは充分感情移入できる人物であるかのように思えます。



しかし、強盗に入ってきた男に「金が欲しければやるけど、その代わり自分も連れて行ってくれ」などと迫るのはいくら彼氏や友人が欲しいと言っても狂気の沙汰が過ぎる。もう誰でもいいってレベルにしてもね。そこから坂道を転げ落ちるように事態が悪化していくストーリー展開はまあ先読み出来ないしスリラーとしてそこそこ楽しめると言えば楽しめるんですが、メリンダの狂気には全くついていけず「何やってんだこいつ」と冷めた目で見てしまう自分がいました。



そもそもあの強盗ビリーはなぜ大して金も無さそうなガソリンスタンドなんかに押し入ってしまったのか。単にアホだったから以外の理由もなさそうですが、こういう映画はビリーの視点でストーリーを追うのが普通の見せ方だと思うんですよね。わけのわからないサイコ喪女に捕まってとんでもない目に遭わされる被害者を主人公にした方がスリラーとしては絶対面白くなるはずです。しかしありきたりな表現は避け、エンタメ的な面白さよりも孤独で心を病んだ女性の奇行と悲劇を見せることにこだわりたかったんだな…と勝手に思い込んでおくことにします。


コメント