「ドラッグ・チェイサー」 感想 ニコケイ濃度は薄め

概要

原題:Running with the Devil

製作:2019年コロンビア・アメリカ

発売:彩プロ

監督:ジェイソン・カベル

出演:ニコラス・ケイジ/ローレンス・フィッシュバーン/バリー・ペッパー/アダム・ゴールドバーグ/レスリー・ビブ/クリフトン・コリンズ・Jr./コール・ハウザー


コロンビアからメキシコ、アメリカを通過してカナダへと運ばれるコカイン。その途中で不純物が混入され、使用した人間が相次いで過剰摂取で死ぬ事件が発生した。組織の上層部から調査を命じられたニコラス・ケイジはコロンビアからコカインを追跡、検査する仕事にかかるが。


予告編

感想



今月のニコラス・ケイジ枠。

最近のニコケイ出演作はもうどれを観てもただのニコケイ映画になっちゃってる末期的状況でしたが、本作はいい意味でニコケイ成分が薄めの仕上がりとなっており、久しぶりにこれは「ニコケイ映画ではなく普通の映画かも」と思えなくもない雰囲気が漂っています。ただ、髪の量はいつもより濃いかもしれません。ハゲそうでハゲていかない。



内容は、主にコロンビアで生産された1キロ1600ドルのコカインがどのようなルートをどんな風に辿ってどのように値段が上がっていくかを順繰りに見せてくれます。なんかすごく淡々としており半分ドキュメンタリーのような感覚。ニコケイはその過程を追跡し、どこで不純物が混入されているのかを密かに探るという点でほんのちょっとだけサスペンス的な味付けがなされています。手に汗に握るアクションとか派手な山場とかそういうのは一切ありませんが、まあボチボチ退屈せずにサラッと観られる手軽さは悪くはない。



ただドラッグの魅力や脅威が非常に身近なコロンビア、メキシコ、アメリカ、カナダあたりの観客と違って日本の端っこでクマやキツネがウロウロしているようなクッソど田舎に住んでて一生ドラッグと関わることはないに決まってるカッペからすると、いくらリアルなコカイン運搬劇や値段が上がっていく様子を見せられてもそこまで興味は持てないという難点はありました。


ドラッグに関わってる人間はみんなカネが稼げそうでそこはすごくうらやましいんですが、その代わりあまりにも命が軽い。本当にあんなにあっさり死にまくってたら誰もやる人がいなくなりそうなもんですが、逆にいくら潰そうとしても無くならないのが不思議なところですね。そのことに苛立つ捜査官の苦悩も実にあっさりと表現されてましたが、それによってもたらされたあの理不尽で投げやりすぎるラストは逆に良い。ニコケイが辿る末路としてはなかなか印象に残るものがありました。最近はニコケイの死に方もマンネリ化しかけてましたからね。


ということで、ドラッグに興味ある人はレンタルしてみてもいいんじゃないでしょうか。逆に興味が全然なかったら結構キツイかもしれません。

コメント