「ホワイトシャーク 海底の白い死神」 感想(ネタバレあり) 事実はクソサメ映画より奇なり 

概要

原題:SHARK SEASON

製作:2020年アメリカ

発売:プライムウェーブ

監督:ジャレッド・コーン

出演:マイケル・マドセン/ペイジ・マクガビン/ジュリアナ・デステファーノ/ジャック・ピアソン


モデルのサラは、メイク係とカメラマンと共にフロリダ沖の島へカヤックで向かうことに。そこは小さな岩礁で、満潮時には完全に沈んでしまうところだった。だが、撮影中にカメラマンがホホジロザメに襲われて死亡。そこは人喰いザメがうろつく危険な海域と化していた…


予告編

感想



年明けそうそうこんな素晴らしいクソサメ映画を観られるとは、なかなかいい感じです。


いくらクソサメ映画マニアとはいえ、アサイラム製作なうえにあの「プレデターvsネイビーシールズ」のジャレッド・コーン監督ときてはもう全く何も期待できないところだったんですが、意外にもちゃんと楽しめるクオリティでした。脚本があのマーク・アトキンス大先生なのが功を奏したか。どうせなら監督もやってほしかったけども。



モデルのサラとその仲間の3人でフロリダ沖にカヤックで出かけたら、ホホジロザメの群れに襲われた!


っていうことで、近年のクソサメ映画としては非常に珍しくフツーに海でノーマルなホホジロザメが出てくる実に正統派のクソサメ映画です。しかも実話を元にしていらっしゃるとのこと。なんだかウソくさいな…っていうかそれ多分プライムウェーブが勝手に言ってるだけですよね?


まあホホジロザメに襲われた事件なんかいくらでもあるだろうから実話だと言い張っても完全にウソとは言い切れないか。ここは大人しく実話だと信じて観ることにします。



なんと本作、驚くべきことに実物のホホジロザメの映像が使われています。これは近年では本当に珍しい。今となっては懐かしいあのNU IMAGEのサメ映画群を思い出します。つまり、なんかの資料映像の流用です。多分ナショナルジオグラフィックかアニマルプラネットあたりのドキュメンタリーから頂いた映像ではないでしょうか。しかも露骨に同じところを何度も使いまわしている。クソサメ映画マニア的にはうれしくなる省エネ手法です。



まあそんな感じなので、サメの出番は結構多め。これだけサメを映してくれれば、もうそれだけで満足です。ただその代わり、人が食われるシーンが異常に少ない。なんと本作におけるサメの犠牲者はたったの2人!これはいくらなんでも。



主人公の2人の女の子たち最終的に2人とも助かっちゃうんだけどさ、そんな必要ある? 少なくとも1人はクライマックスで食わせてやっても良かったんじゃないの? 何なら2人とも食わせてバッドエンディングにした方がインパクトに残る作品になったんじゃないの? とは言っておきたい。どうせクソサメ映画なんだし別にハッピーエンドにこだわる必要なんか全くないですよね。というかクソサメ映画ならば視聴者の心に何らかの爪痕を残してほしい。



また、クライマックスにおける主人公サラとホホジロザメの対決は噴飯ものです。安直すぎて逆に凄いことになってる。いまだかつてあんなやり方でホホジロザメを倒した人間がいただろうか。それまでは全体的にツッコミどころ満載とはいえそんなに尖ったところもない王道のクソサメ映画でしたが、あの対決シーンだけをもって「珍作」ラベルを貼りたくなるアレっぷり。


これが実話だというんですか?

事実はクソサメ映画より奇なりですか?



最後に、サラのパパ役でマイケル・マドセンが出演しているのですが、彼の出演シーンは明らかにまるごと全部ムダです。いらん。ただ座って電話してるだけだし…。本来サメが出ない海域になぜサメがいるのか?みたいな会話をしてくれたりするんですが、もう完全にどうでもいいとしか言いようがない。そこは電話するだけじゃなく自ら助けに行ってサメに食われるぐらいのことをしてほしかったところですね。



ということで、サメ映画愛好家は必見の作品かなと思います。

それ以外の方にとっては単なる地雷でしかないのでご注意ください。

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