「サイエンティスト 禁断の実験」 感想(ネタバレあり) ゾンビ映画の前日譚的なやつ

概要

原題:The Sientist

製作:2020年アメリカ

発売:アマゾンプライムビデオ

監督:デリック・グラナド

出演:ロブ・ハズペス/クリスティン・キース/アディソン・マクギャリー


美容医療の研究をしているスティーブは妻のダーレンと娘のリリーと3人で幸せに暮らしていた。しかし、ダーレンが末期癌に侵され余命僅かとなってしまう。妻の命を諦めきれないスティーブは死者の蘇生薬の研究に没頭し、ついにそれを完成させる。だが、それは蘇生した者をゾンビ化させてしまう禁断の薬であった。


予告編

感想



やっと消化し終えたかなと思った頃にまたドカドカと追加されるアマプラの謎映画群。基本的には喜ばしいことだしアマゾン様には感謝しかありませんが、再生ボタンを押した直後に

「itn distribution」

のロゴが表示されると倒れそうになります。

itn印でマトモな映画が観られた試しがないんです。

クソ映画マニアにひと時の地獄を提供してくれる暗黒の邪神のような存在、それがitn distribution。





↑どうでもいいけどジャケ絵がこの「ディケイド腐敗する者たち」によく似てますね。多分同じ人がデザインしてるんでしょうけど、アマプラの謎映画は煽り文句とかもかなりワンパターン気味なんだよなあ…。一体どういう経緯でこれらの謎映画がアマプラに投入されているんでしょうか。



本作が自主製作映画かどうかはわかりませんが、エンドクレジットをみるとスタッフが十数人しかいなかったので相当低予算の映画でしょう。おそらく5万ドルもかかってなさそうな雰囲気。この規模で露骨に「Z級」的な空気が出ていない時点で、まあまあそんなに酷くはない。クソ映画ではない。ありがたいことにitn印としては当たりの部類と言えます。



しかし、お世辞にも素晴らしい作品だとは言えません。まず、ストーリーが恐ろしくありがちな内容です。死の淵にある妻を救うため、というより死後に生き返らせるために蘇生薬の研究に没頭するマッドサイエンティストのスティーブ。初めは優しい男だったが次第に狂気に憑りつかれ、人体実験を繰り返すようになってしまう。



ありがち=王道と言えなくもないし、まあそこは構いません。が、あまりにもテンポが遅すぎてちょっと困る。無駄なシーンをカットすれば15分くらいに圧縮できそうな内容です。これを1時間33分に引き伸ばしているため相当な薄味になってしまっています。事前に昼寝をしておいたにも関わらず、スローすぎてあくびが止まらない事態に陥りました。できれば5倍速ぐらいで鑑賞したかったところです。



スティーブが開発した蘇生薬を死者に投与するとゾンビになってしまうわけですが、あくまでも「世界にゾンビが蔓延することになったきっかけを描く」ようなコンセプトの映画であるため、ゾンビが人を襲うような刺激的なシーンはほとんどありません。スティーブが生み出してしまった妻ゾンビが解き放たれた時点でオワリ。クライマックスとか見せ場のようなものもなく、全く盛り上がりようもない。


これは食べ物で例えると中身無しの中華まんのようなものであり、まあ食えんこともないが積極的に食いたいもんでもないし、そんなもんのグルメリポートを書けと言われても到底無理な話でした。



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