「サイキッカー 超人大戦/エスパーズ 超人大戦」 感想 続編じゃなくて良かった

概要

原題:Enhanced

製作:2019年カナダ

発売:アルバトロス

監督:ジェームズ・マーク

出演:アラナ・ベール/ジョージ・チョートフ/エイドリアン・ホームズ/クリス・マーク/エリック・ヒックス/ マイケル・デラニー/パトリック・サボンギ/エルヴィス・ストフコ


サイセイ社により生み出された超能力人間兵器「強化体」。政府の秘密部隊に所属するジョージは強化体を捕獲し収容する任務についていた。強化体はただの兵器だと思っていたジョージだったが、アンナという強化体の少女と出会い、彼らにも人間性があることを知る。そして、強化体を殺して回る最強のA級強化体が彼らを襲ってくるのであった。


予告編

感想




「サイキッカー 超人覚醒」の続編…かと思ったら全然何も関係ないらしい。


まあ「~超人覚醒」の方はとても酷い映画だったのでかえって関係ない方がうれしいです。というかあれの続編ぽくしてしまったらクソ映画マニア以外は誰も借りてくれないんじゃないかという気がするんですが。アルバトロスの戦略は高度すぎて常人には理解不能です。あと予告編のサムネもうちょい何とかなりませんかね。だから数十再生しかされないんですよ。



とはいえ私は「超人覚醒」のあの酷すぎるカメラワークがまだ頭に残っており、それを踏まえてハードルを下げまくって本作を鑑賞したおかげでかなり楽しめました。これならB級アクション映画としては充分及第点です。ちなみに「エスパーズ超人大戦」という頭悪い邦題はWOWOW放送時のものだそうな。そのままでも良かったんじゃないかな。



サイセイ社とかいう謎ネーミングの企業が「強化体」と呼ばれる超能力者を生み出して野放しにしてしまい、彼らを捕獲して回る特殊部隊がいるという設定。主人公アンナは幼い頃にサイセイ社に捕まって改造された強化体で、どこかで自由に暮らしたいと思っている。


ストーリーは非常にありがちです。エイリアンまで絡んでくるわりにはスケールもすごく小さくて何か微妙。サイセイ社とやらも変な名前で印象に残るけども結局出てこないから実体も何もよく分からんまま終わったし。また、「簡単に人を殺すな!」と命の大切さを説き、強化体の人権を訴えるアンナが序盤でいきなり3人もぶち殺しているのは多少気になりました。あいつらは悪党だったから別にいいのかな。



ただ、話はともかくアクションシーンの出来は非常に良いです。サイキッカーだのエスパーだのというわりにはマーシャルアーツ的な肉弾戦メインになってますが、アンナは女性ながらもなかなかキレのある後ろ回し蹴りをたびたび見せてくれるし、ボス敵であるA級強化体デヴィッドの身のこなしも鋭くてかっこいい。彼にはB級アクションスターを目指せそうな才気を感じます。あと一応エスパーらしく格闘アクションの合間にサイコキネシスで宙に浮かせて吹っ飛ばすシーンとかもちゃんとあるにはある。結構頑張って吹っ飛んで叩きつけられているのですごく痛そう。


そんな具合で全体的にアクションシーンには手間とこだわりが感じられて好感が持てます。肝心のカメラワークも非常に見やすくてありがたい。「~超人覚醒」の悪夢的な常時振動アル中カメラとはえらい違いです。やっぱりアクションに自信がない作り手はカメラを揺らしまくりのカット割りしまくりので姑息にごまかし、自信のある作り手は全体像を落ち着いて見せてくれる。そういう志の違いを感じました。


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