「モンスターハンター」 感想 人喰い映画としての満足度は高い

概要

原題:MONSTER HUNTER

製作:2020年アメリカ

配給:東宝東和

監督:ポール・W・S・アンダーソン

出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ/トニー・ジャー/ミーガン・グッドロン・パールマン/ディエゴ・ボネータ/ジョシュ・ヘルマン/山崎紘菜


アルテミス大尉率いるアメリカ軍のレンジャー部隊は荒野で行方不明になった兵士たちを捜索していた。だが突然、雷を伴う砂嵐に巻き込まれ、見たこともない砂漠へ飛ばされてしまう。そこは巨大で狂暴なモンスターが跳梁跋扈する異世界だった。


予告編


感想



原作のゲームは全然やったことも見たこともないんですが、劇場での映画鑑賞に飢えているので行ってきました。ここ数年はレイトショーへ行っても数人しか客がいないことが多かったんだけど、昨晩は20人か30人ぐらい入ってましたね。さすが大人気ゲームの映画化です。


ストーリーは任務中に異世界に飛ばされたレンジャー部隊が、現地人のハンターと協力しながら巨大モンスターと戦うというもの。たったそれだけ。お話は潔いほどにスカスカです。



でもつまらないかというとそんなことはない。ポール・W・S・アンダーソン監督作品の中では「イベント・ホライゾン」「エイリアンvsプレデター」の次くらいには好きになりました。



ゲーム未プレイのただのモンスターパニック映画ファンからすると、前半から中盤が意外にもホラー寄りのモンスターパニック映画になっていたのがうれしい不意打ちでしたね。いきなり異世界の砂漠に飛ばされ、砂の中から巨大モンスターに襲われ、ほうほうのていで逃げ込んだ洞窟で今度は巨大なクモのようなモンスターに襲われてしまうという。



隊長であるミラジョボビッチ以外のメンバーはそこでモリモリ喰われたりタマゴを植え付けられて体内からクモモンスターの幼体がゾロゾロ出てきたり、と思っていたよりだいぶ悪趣味で気色悪い。この辺、たぶん原作ゲームとは全然違うノリなんじゃないかな…と思ったら案の定一緒に見に行った後輩が「前半は思ってたのと違った」と言ってたのでまあそうなんでしょうね。



でも私はこういう気色悪いモンスターパニックが大好物なのでそこが本作中一番盛り上がるところでした。やっぱ人が喰われるシーンは見ていて気分が良い。しかしその後は生き残ったジョボビッチが現地人のハンターであるトニー・ジャーと出会い、急にそれまでのシリアスさが消えて能天気なムードになっていきます。チョコレートにむしゃぶりつくトニー・ジャーとかマジックテープを満面の笑みで付けたりはがしたりするトニー・ジャーとか微笑ましすぎるだろ。しかしこういうハリウッド大作にトニー・ジャーが主役級で出ているのを見るとうれしくなりますね。お前はムエタイでモンスターと戦えよと言いたくはなるけども。



そんなジョボビッチとトニージャーが修行したり罠を張ったりしてから砂の中に潜む巨大モンスター・ディアブロスと戦うシーンも圧巻で、6千万ドルというハリウッド大作としては少なめだけどモンパニ映画としては潤沢すぎる製作費によって、喝采モノの大迫力の戦闘シーンになっていました。なかなかね、モンスターと戦う映画なんかにこれほど金がかけられることってないからさ…。その後は個人的には尻すぼみに感じてしまったけど、まあそこまででも充分満足できたので良しとします。ただこの手の映画は劇場で観ないと何の意味もないので、興味ある人はレンタルを待たずに劇場へ行った方がいいよと言っておきます。


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