概要
原題:INSTAKILLER
製作:2018年アメリカ
発売:アマゾンプライムビデオ
監督:クレイグ・ゴールドスタイン
出演:ケリー・サリヴァン/リゼ・ブロードウェイ/ショーン・クリスチャン
ファッションデザイナー志望の高校生ハーパーはインスタでフォロワーが急増し、調子に乗っていた。母親のレイラはハーパーが個人情報をインスタに載せているのをみて不安を覚えるが、本当にハーパーがサイコなストーカーに付きまとわれるようになってしまう…
予告編
予告編がなかったので何か知らん人のレビュー動画でも貼っときます。
感想
アマゾンプライム配信のサスペンス・テレビムービー。
製作はReelOne Entertainment。
ReelOneはわりと可もなく不可もない無難なサスペンスを作ってくれると思ってたんですが、本作は恐ろしく酷かったです。果たしてこんなお粗末なものをサスペンスと言っていいのだろうか。かといって他に当てはまるジャンルも思いつかないし…
普段はこれから観る人の楽しみをなるべく奪わないような書き方を心掛けているんですが、今回は最初からネタバレ全開で書かせていただきます。
ファッションデザイナー志望の高校生ハーパーが、インスタで何かバズったらしくフォロワーが10万人近くになる。しかし、インスタに個人情報を載せていたためにサイコなストーカーに家まで特定されて付きまとわれる羽目に…
…っていう導入なんですが、犯人は元からめちゃくちゃ身近にいる人物だったので別にインスタを見てターゲットにされたわけじゃないっていうね。何が「フォロワーが増えたら要注意…」だよ。フォロワー全く関係なかったろうが!
アカウントを閉鎖するかどうかであれだけ親子でモメまくってたのは何だったんだんですかね。家バレしてから閉鎖しても意味なくない?っていうツッコミもあったけど、それ以前の問題だった。別にインスタやってなくてもストーカーされてた。しかもそのストーキングっぷりも超ヌルくて、申し訳程度にモブ1人殺しただけだし。
この内容で「インスタキラー」とは一体…。でも原題も「INSTAKILLER」なんだよね。はっきり言ってインスタでもキラーでもないし、「ゴルフクラブ・ストーカー」っていうタイトルの方が良かったと思う。ゴルフクラブで殴り掛かってくるのが唯一のアイデンティティのようなもんだったし。
サスペンスとしても、前半から犯人がモロバレなのもいかがなものか。あまりにもあからさますぎるから「これはミスリードだろうな」と思ったら普通にそのまんまだった。いや、一応罪を着せられて捕まっちゃう怪しい友人も別にいるんですが、それ込みでもモロバレ。ちょっとぐらいひねってくださいよと言いたくなる。
このように色々問題はありますが、極めつけは犯人露見の瞬間です。
あんなお粗末な真相発覚シーン見たことない。
ふつうサスペンスで真相があらわになる瞬間なんて最大の見せ場、クライマックスだと思うんですよ。探偵役の推理とか、犯人が恐ろしい本性を現すとか何でもいいんだけど。
しかし本作の場合、ハーパーの母親が急に「あっ、そういえばカフェの監視カメラに何か映ってるかも」と思いついてチェックしてみたら本当に映ってた!というしょうもなさすぎる露見の仕方。本当にしょうもない。今まで色んなサスペンス映画やドラマを観てきましたけど、これにはさすがにズッコケました。こんなんでいいなら私も脚本家になってみたいです。
っていうか犯人はそのカフェで長いこと働いてる店員なんだから監視カメラに映ってることぐらい気づけよ!!というのもあるし、スマホを友人に押し付けただけで罪を着せられるか? 中身を調べられたら持ち主もバレるんじゃねえの?っていうのもある。ツッコミどころ満載です。
犯人の正体が割れてヤケクソになってハーパーを誘拐して…。テンプレート的なサイコストーカーの暴走も陳腐すぎてつらい。何でもいいから何か変わったことをやってほしい。
しかし、オチはもっとひどい。母親に「ストーカーも捕まったし、またインスタしてもいいよ」と許しを得て喜ぶハーパー。「ただし、個人情報は載せないでね!」と釘を刺し、安易なSNSの使用に警鐘を鳴らしてますよ教訓にしてくださいね的なメッセージを出してきよるのです。
が、内容とはまるでかみ合っておらず上滑りもいいところ。そのうえさらにエピローグでアホみたいな醜態をデレデレ晒し続ける両親とハーパーに開いた口がふさがりませんでした。どう考えてもそんな映像いらんぞ。それより冤罪で捕まえておいて「とんでもないキチガイ」扱いまでした哀れな友人のフォローぐらいしてあげなさいよ…と思いました。
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