概要
原題:JIU JITSU
製作:2020年アメリカ
発売:AMGエンタテイメント
監督:ディミトリ・ロゴセティス
出演:ニコラス・ケイジ/トニー・ジャー/フランク・グリロ/アラン・ムーシ/マリー・アヴゲロプロス/ジュージュー・チャン
その昔、エイリアンは人類に柔術を授けた。それからエイリアンは6年に1度、人類に戦いを挑みに来るようになった。もし人類が戦いから逃げれば人類は滅亡させられてしまうという。そして今回もまたムエタイなどをマスターした地上最強の9人が集まり、エイリアンと激突する。
予告編
感想
「人類に柔術を授けた宇宙人が6年に1度の周期で地球の格闘家と戦いに来る」っていうボンクラ小学生男子が考えたような知能指数の低すぎるバカ映画。製作費30億円だそうです。
まあでも仕方ないですよ。私だってもし30億円とニコラス・ケイジとトニー・ジャーをポンと渡されて「好きなように映画撮っていいよ」って言われたらこういう映画作りますよ。それだけ私好みのオーラを感じていたのでかなり期待していたんですが…蓋を開けてみれば大変アスホールでブルシットな出来栄え。というか原題は単に「JIU JITSU」なのにこの邦題は狙ってやってるとしか思えん。別に地球が落ちる要素ないし。
光学迷彩に手裏剣を使い、最強の人類を選んで戦う…という、誰がどう見ても「プレデター」もどきとしか思えない宇宙人ですが、彼らは太古の昔、人類に柔術を授けたというとんでもないやつです。なんで柔術なの?
しかもわざわざ数百万光年の彼方からやってくるわりには周期が「6年に1度」とえらく短い。そんなにも頻繁に柔術の試合をしたい理由は何なんだ。さっぱりわからんぞ。以下この宇宙人のことを柔術星人と書きます。
で、そんな最強の柔術星人に挑む地球人戦士9名は、公式サイトによればそれぞれが
ニコラス・ケイジ、
クンフー、
ムエタイ、
武装術、
カポエラ、
キックボクシング、
カラテ、
コマンドサンボ、
合気道
を極めた達人なんだそうですが。
なんで
柔術家が
1人もいないんだよ!!
とか突っ込んではいかんのでしょうか!?
柔術星人は地球人と柔術でやり合いたいのではないのか?
いや、今回ばかりは許容できないですよ。これだけ柔術の看板を掲げておきながら、ホイス・グレイシーの名前まで宣伝に使っておきながら全然柔術を使わないとかどういうことなの?
時々思い出したように関節技とか投げ技も出てはいましたが、ほぼほぼ打撃格闘か武器術での戦闘がメインだったし。一番目立ってたのはトニー・ジャーだし。柔術じゃなくてムエタイを授けたエイリアンってことにしとけば良かったのでは…
ストーリーも小学生レベルの単純さのくせになぜか異様にわかりにくいです。素直に「プレデターズ」みたいな感じにしとけばいいものを、主人公が無駄に記憶喪失なうえにほぼ無関係の米軍が絡んできたり、地球人戦士の大半がモブレベルにキャラが薄いくせに思わせぶりな会話に終始したりと何をやってるのかいまいち分かりません。テンポも悪いし、超眠たいです。というか途中で3時間ぐらい寝ました。
それでも格闘シーンさえちゃんとしてくれれば他の欠点は帳消しにできるんですが、カメラワークが無駄に凝りまくってたり早回しやスローを多用しすぎていてかなり鬱陶しい。それでもトニー・ジャーの格闘シーンだけはさすがにまあ…まあ楽しめますが、彼の魅力すらもかなり損なわれていると言わざるを得ない。本作を見るぐらいなら素直に「マッハ!」や「トムヤムクン」を見た方がいいでしょう。
最大の見どころはやはりニコラス・ケイジと柔術星人の一騎打ちの場面か。やっぱり柔術ではなくカタナでチャンバラしてましたがね。ニコラス・ケイジも散々B級映画に出まくってて今更落ちぶれたとか何とか言うまでもないと思ってたんですが、それにしてもついにここまで堕ちてきたか…と嘆息せざるを得ない珍場面でした。
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