「マシンガール DEAD OR ALIVE/バースト・マシンガール」 感想 顔面スライスだけは凄い

概要

原題:Spare Parts

製作:2020年カナダ

発売:AMGエンタテイメント

監督:アンドリュー・トーマス・ハント

出演:ミシェル・アーギリス/エミリー・アラタロ/キリアナ・スタントン/ジュリアン・リッチングス


ガールズバンド4人組のエイミー、エマ、ジル、キャシーはクラブでのライブの帰り道に拉致されてしまう。目が覚めると右腕が切断され、代わりにアタッチメントウェポンが装着されていた。そこはカルト教団が支配する廃車置き場で、改造されたエイミーたちは地獄のデスマッチに参加させられるのであった。


予告編

感想





カルト教団に拉致されて右腕を切り落とされ、代わりに武器を装着されたガールズバンド4人組がデスマッチを強いられるというバカ映画。バカはバカなんですが、どうにもテンション低いのがいただけない。弾け方が物足りない。どうも撮りたいものに対して製作費がちょっと足りなかったようです。音と映像がC級クオリティでかなり残念でした。DVDは音量がえらく小さいし。



ただ、グロにはやたら気合が入ってらっしゃる。まず拉致された女の子たちが右腕を切り落とされる手術シーンがなかなかのスプラッター具合。そして終わった後の右腕は骨丸出しでそこに武器を装着するっていう、かなりマンガっぽい絵面。



普通に武器を持たせて戦わせるだけじゃダメなのか? わざわざ右腕を切断する意味が分かりません。が、まあそういうことを考えてはいけない映画でしょう。そもそも戦う理由もよく分からんし。ただのエンタメというよりカルトの儀式的なんですよね。負ければ死ぬのは分かるが、じゃあ勝ち続けるとどうなるのか。自由は得られるのか。その辺の目的も説明も一切なくてただただ戦ってるだけでしたが、気にしても仕方ありません。我々も気が触れたカルト教団信者になり切って彼女らのバトルそのものを純粋に楽しむべきなんです。



……かと思えば、案外戦闘シーンが少なくてかったるい人間ドラマがダラダラ続くのでかなり眠気を催します。姉妹の確執とか、教祖様の息子に惚れられたとか、彼氏が助けに来たとか。そういうのは全部いらんだろうと思います。必要なのは「バトルランナー」みたいな個性溢れる敵との血沸き肉躍る戦闘だけだというのに、なかなかそれが満たされない。1回戦目は敵がただの一般人だったし、2回戦目もクソザコだしで見どころがあまりない。あ、そういえば回転するタイヤに顔面をすりおろされた奴がいたか。あれはまあまあ印象に残る死に様でした。



あと思い出せるのは引退した教官による修業のシーンぐらいかな。修業と言っても右腕の武器でタイヤをポコポコ叩くだけですが。動きにくそうなんですよね、アレ。というか勝っても別にいいことないし、マジメに修業なんかしてないで逃げる算段でもした方がいいと思うんですがね。



そんな感じで序盤中盤とクソダルいものの、クライマックスだけはまあボチボチ楽しめました。3回戦目に来てようやく敵キャラがちょっとおいしい感じになってくれて良かった。右腕に火炎放射器を付けてる奴と…奴と…あと何だっけ? 他の奴のことは忘れてしまいましたが、まあ火炎放射器だけでも充分です。火炎放射器好きなんですよ。しかもこいつはやられ方もかなり強烈でした。チェーンソーで顔面をスライスされるっていうね。C級のくせにここは驚くほどリアルなゴアシーンで思わず笑ってしまいました。力の入れどころが偏りすぎていると言わざるを得ない。


ストーリーもアクションも大体どうでもいいダメダメC級作品ですが、このチェーンソー顔面スライスだけは記憶に深く刻まれそうだなあと思いました。

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