「サプライズ 狂気の恋心」 感想 頭の固さが不幸を呼ぶ

概要

原題:A Lover Betrayed

製作:2017年アメリカ

発売:アマゾンプライムビデオ

監督:ジェフ・ヘア

出演:ジェイミー・ルナー/ジェイソン・ブルックス/ブレント・アントネッロ


校長が生徒にセクハラしていたのを告発しようとしたテスは、自暴自棄に陥った校長に息子を殺されてしまう。数年後、テスは講演会で出会った若い軍人のコナルと一夜を共にする。だがテスは翌日すぐに元夫と寄りを戻し、コナルを振ろうとする。しかしコナルはテスに付きまとい、サイコストーカー化するのであった。


予告編

感想



アマプラ配信のサスペンス・スリラー。

毎度おなじみReelOneEntertainment作品。


主人公テスが恐ろしく自己中&無能すぎてとてもイライラしますが、それさえ我慢すればサスペンステレビムービーとしてはかなりいい出来でした。ReelOneの中では歴代ベスト級かも。ただ、邦題が「サプライズ」だったり煽り文句で「想像を絶する大どんでん返し」と謳っているのはちょっとやりすぎかな。驚きが減るからあんまり事前にサプライズをアピールしないでほしいんですよ。



面白いし良い出来ではあるんですが、さっそく冒頭からテスの無能っぷりにイラつかされます。おそらく教師?のテスが生徒から「校長にセクハラされた」と相談を受け、告発しようとしている状況から始まります。すると校長がテスの家に現れ、拳銃を持って「見逃してくれ、でないと全てを失ってしまう」と半泣きで要求。



フツーのまともな人間だったら、とりあえずここは校長の要求を呑むフリでも何でもしてその場を切り抜けるでしょう。自暴自棄の人間に拳銃向けられてるんだからさ。告発なんかその後で粛々とやればいいだけの話です。とりあえず校長を落ち着かせるのを最優先にすべき状況。しかしテスは校長の話をろくに聞かずに「無理よ!」「駄目よ!」と聞く耳を持たない。夫のロジャーがとりなそうとしても突っぱねる。揚げ句の果てには「ここに来たことだけは見逃してあげるから」と何の解決にもならない提案をしてしまう。このテスの対応はあまりにも融通が利かないというかありていに言って死ぬほど馬鹿すぎます。そんなんだから校長も絶望して銃を乱射し、テスの息子にうっかり命中。みすみす息子を無駄死にさせてしまったうえに、校長自身もその場で自殺。色んな意味で悲惨すぎる事件です。



その後テスはロジャーと別れ、自分はその事件をブログに書いて有名になり、講演会なんかをやったりしている。何が楽しくて自分の馬鹿さ加減を偉そうに世の中に広めたりできるんでしょうかね。しかも講演会にやってきた若い軍人コナルと調子よく意気投合し、一夜を共にする。悲惨な人生から一転しエンジョイ&エキサイティングな人生を送ってます。しかもその翌朝にはロジャーが訪ねてきて速攻で寄りを戻してしまい、ジャマになったコナルをさっさと捨てようとしてしまう。このスピード感がたまらない。



誰かこいつを抹殺してくれませんかね…? っていうくらい視聴者のヘイトを買いかねない自己中な行動を積み重ねるテスおばさん。すると、コナルがテスにやたら執着し、ストーカー化していくのであった。



まあそっからはサプライズもあるので詳しくは書きませんが、とにかくテスが無能すぎてあらゆる罠にひっかかりまくってひたすら状況が悪化していきます。自業自得なので別にいいっちゃいいんですけど、あまりに無能すぎてやっぱりイライラします。まあそのサプライズ展開がテスのクソアマっぷりと密接に関係しているのでやむを得ないのですが。犯人の動機に共感しすぎて笑ってしまいました。



そのサプライズの後もテスは華麗に手のひらをクルクル返し、視聴者のヘイトを膨張させます。なぜその柔軟性を冒頭の事件で発揮できなかったのか激しく疑問です。しかし私の「この腐れビッチに神の裁きを…!」という祈りもむなしく、何かとってつけたような納得いかないハッピーエンド。これでもしテスが地獄に堕ちるようなエンディングだったらすごくスッキリしてもっと大絶賛してたんだけどなあ。まあそれでもアマプラではかなり面白い方なのでマニアの方はチェックしてみてもさほど損はしないかと思います。


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