「エアポート2021」 感想 旅客機で旅客機を撃墜せよ

概要

原題:AIRLINER SKY BATTLE

製作:2020年アメリカ

発売:アルバトロス

監督:ロブ・パラティーナ

出演:バイ・リン/ジョセフ・マイケル・ハリス/ジーナ・ヴィットーリ/テリー・ウッドベリー/ザビ・イスラエル/ウェイド・ベーカー


ロシア人テロリストが旅客機をハイジャックする事件が発生。彼らはワシントンの原子力発電所へ突っ込むつもりだった。米軍のシステムは乗っ取られて戦闘機が発進できず、アメリカの命運はたまたま近くを飛んでいた旅客機に託されることになるが…


予告編

感想





「旅客機 VS 旅客機」


という思わず手に取らざるを得ない秀逸な煽り文句が光るアサイラムの新作航空パニック映画。そもそも旅客機で戦うという発想すら普通はないのに、わざわざ旅客機同士で決闘するとか一体どんなトチ狂ったシチュエーションなのか。「地獄のデビルトラック」「殺人ブルドーザー」みたいにある日突然宇宙からの怪電波を浴びた旅客機が自我を持って勝手に動き出すぐらいしか私には考えつきません。



…と思ったら、そこはアサイラムにしては案外そこまでトンデモではない真っ当な?内容でした。ロシア人テロリストたちにハイジャックされた旅客機が原子力発電所への特攻を試みる中、米軍のシステムが乗っ取られて戦闘機が出撃できなくなってしまい、たまたま近くを飛んでいた普通の旅客機がハイジャック機に対抗せざるを得なくなるという話。相当な無茶振りですね。



殺人ブルドーザーほどのトンデモではないとはいえ、「旅客機 VS 旅客機」を実現するためにむりやりこしらえた感のある状況設定ではあります。米軍のシステムを乗っ取るなんてことが出来たらその時点でもうロシア人テロリストの勝ちじゃないですか。わざわざ旅客機をハイジャックして原発に特攻なんかしなくてもやりたい放題でしょう。



まあハイジャック機に一般人を乗せた旅客機で対抗せねばならないのはいいとして、では攻撃手段など何一つ持たないただの旅客機で一体どうやってハイジャック機を撃墜しようとするのか。そのあたりが主な見どころとなるわけですが、これが相当ツッコミどころ満載で「絶対そうはならんだろ…」的な絵面を矢継ぎ早に拝ませてもらえます。



最近のアサイラム映画と違って専門家ばかりではなく一般人が無い知恵を絞って何とかしようとする分わかりやすく、バカ映画としてはそこそこおもしろいです。とはいえ旅客機なので物を投げてぶつけるとか、命綱を付けて飛び移るとかその程度なので地味といえば地味ですが。物理的に無理とか言ってはいけません。ジャケ絵ほどの迫力ではないものの旅客機による体当たりもちゃんとありましたが、どう考えても墜落するなどとツッコんではいけません。ボタンひとつで飛行中の旅客機の全電源が落ちるとかも(略)



出演者もアメリカ軍の司令官が「アルマゲドン2021」と同じ人だったり、旅客機の航空警察官がアサイラム製ディザスターパニックでよくパパ役をやってる人だったり、パイロットが「プレデターVSネイビーシールズ」の人だったり、乗客にも「ホワイトシャーク」で見たことある人がいたりと実に濃厚なアサイラム臭が漂う。吹替もちゃんと毎回同じ人がやってるみたいだし。ここにエリック・ロバーツがいないのが不自然に感じるほど。まあそんな感じなので、アサイラムファンなら普通に楽しめる部類の良い作品ではないかと思います。


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