「ジュラシック・スクール」 感想 これで子供を騙せるか?

概要

原題:JURASSIC SCHOOL

製作:2016年アメリカ

発売:プルーク

監督:マーク・アトキンス

出演:ガブリエル・ベネット/アンバー・パチーユ/アッシュトン・ピューリス/ジョン・ブリデル/タマラ・グッドウィン


恐竜オタクの少年トミーは、ダチョウの卵を使い遺伝子操作しヒプシロフォドンを孵化することに成功する。トミーは彼をスパイクと名付けて可愛がっていたが、ライバルの恐竜オタク少年や補助金目当ての悪徳研究者に狙われてしまう。


予告編

感想



ジャリ向けの恐竜映画。

なんでこんなものを借りたかというと、あのクソ映画の巨匠マーク・アトキンス監督作(アサイラム製作)だからです。


しかしアメリカ人ならともかく日本人がわざわざ子供のためにアサイラムのクソ映画を借りてくれるもんでしょうか。かと言っていい大人が自分で観るためにこれをレンタルするのもおかしい。結局ひねくれたマニアしか手に取らない作品かもしれません。



内容は案の定、子供向けというより子供騙し。いや、ストーリー自体はまあ可もなく不可もない感じではあります。恐竜オタクの天才少年が遺伝子操作でヒプシロフォドンなる恐竜を産み出してしまい、スパイクと名付けて可愛がるが、ライバルや悪徳研究者に狙われてしまうという話。



本作最大の問題はやはりスパイク君のクオリティにあります。基本首から上のハリボテしか映らない。マーク・ポロニアみたいな手法で子供向け映画を撮っちゃってる。まあジュラシック・ビーストよりは頑張って手作りしたんだろうな…とは思えるハリボテですが、無表情にもほどがあるし恐竜というよりカメのようです。端的に言って可愛げの欠片もない。もしお子様と一緒に本作を観る場合、「ママーなんでスパイクは首から上しか見えないの?」という質問が飛んでくることは必至なので、何かしら夢を壊さないような回答を用意しておくべきでしょう。



とはいえ、ごくわずかではありますがスパイク君の全身がCGで表現されるシーンもなくはない。下手するとハリボテよりもクオリティが低いし顔が全然違うので別の個体と勘違いしてしまう子供もいるかもしれませんが、一応申し訳程度には恐竜が駆け回るシーンはあります。たぶん15秒くらい。そんなんで子供が喜んでくれるかどうかは測りかねますが。



子供向けとあってかクソ映画の巨匠であるマーク・アトキンスの作家性はかなり抑え気味になっているのですが、ひとつライバル少年の開発した恐竜ロボットの機能には狂気じみたそれが現れていました。その恐竜ロボットにはケツからまるでうんちのようにドーナツがブリブリひり出されるという機能があって、いい大人たちが夢中になってそのうんちドーナツをガツガツ喰らうっていう。ロボット本体よりうんちドーナツの体積の方が大きいし。非常にしょうもないお笑いシーンですが、そういうところを拾い上げないと何も書くことがない空虚な作品なので仕方がない。マーク・アトキンスにはこんなジャリ映画より「鮫の惑星・征服」とか「ヤマタノオロチ・ジョーズ」を早く撮ってほしいなと思いました。


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