概要
原題:ARMAGEDDON TALES
製作:2020年アメリカ・ドイツ
発売:彩プロ
監督:カレブ・レホフスキー/ポール・プレット/ジョナ・シュワルツ
出演::ウィリアム・バナー/ジェレミー・ダッシュ/ステュー・フォード/サラ・グロロー/ティム・ハー
近未来、世界的なパンデミックと感染者たちのゾンビ化により人類文明は壊滅。富裕層は空中都市に逃げ込むも、貧しい生存者たちは地上に取り残され、各々が独力で生き延びる道を模索するのみだった。物資も希望も、絆すらも亡くした人間たちは、荒涼とした地上で果たして何を見つけるのだろうか・・・?
(↑彩プロHPより)
予告編
感想
珍しくプライムウェーブ以外の配給会社から発売されたアルマゲドン・パチモン。まあ原題からして「ARMAGEDDON TALES」だし、別にパチモンのつもりではないかもしれませんが。
本作は月とか隕石が落下してくるディザスターものではなく、ウイルスによって滅んだ後の世界でひっそりサバイブする人々を描いたポストアポカリプスものなのでアルマゲドン感は絶無です。さらにこれは1本の長編映画ではなく、世界観が似通った別々の短編映画3本を繋ぎ合わせたオムニバス形式の作品でもあります。
低予算SFオムニバス作品…って何だかロクなものがないイメージがあるんですよね。去年でいうと「ポータルズ」なんて頭を抱えてしまう出来でした。結果からいうと本作は1本目の作品がわりと楽しめる部類だったので「ポータルズ」よりはだいぶ良い物でしたが、2本目は睡魔との戦いになり3本目は早く終わらないかなあと思っているうちに意識を喪失していました。
1つ目の短編は怪物に追われている辛辣なオッサンとシェルターを探しているボンヤリしたオッサンが出会い、たびたび衝突しつつも一緒に旅をしている間に絆的なものが芽生える的なやつ。これはまずオッサン2人がリアルに小汚くてボロボロなところが良いです。壊滅後で水が貴重な過酷な世界で長くサバイブしてきたんだなという説得力がちゃんと外見から滲み出てる。こういう世界観でメイクバッチリな女の子とか出してくるクソ映画もたまにありますからね。
また、ネズミが媒介する疫病を恐れながら水やシェルターを求めて彷徨うだけではなく、そこに謎の怪物という追跡者を加えてあるのも好み。「奴に襲われるくらいなら俺は自死を選ぶ」と断言し、怪物の気配を感じるたびに銃口をこめかみに当てる辛辣な方のオッサン。モンスター映画好きの興味を惹く展開です。
…しかし、そのモンスターが何だったのか、なぜ辛辣な方のオッサンを追い続けていたのか、何もかも投げっぱなしで終わってしまいました。もしかして何かのメタファーだったんですかね。せっかく恐怖を克服して助けたのに「水にネズミを入れたのは俺なんだ…」と自白したボンヤリした方のオッサンをボコボコに殴ってオワリという身も蓋もない後味の悪さもあるし、2本目以降は別に謎が解明されるでもなく何の関係もない話になるし、大半の人は「何だこれ」という感想しか持てないのではないか。まあそれでも1本目の作品の雰囲気は良かったんだし、不出来なものと抱き合わせにするのではなくそれを80分の長編に拡大してくれれば良かったのになあと思いました。
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