概要
原題:TRICK
製作:2019年アメリカ
発売:プルーク
監督:パトリック・ルシエ
出演:オマー・エップス/エレン・アデア/クリスティーナ・レイエス/ジェイミー・ケネディ/トム・アトキンス
2015年のハロウィンの夜、物静かな少年が突如友人たちを刺殺。警察に撃たれた少年は川へ落ち、死んだと見なされた。だが、その翌年から毎年ハロウィンの日になると顔にメイクをした殺人鬼が現れるようになる。
予告編
感想
「ハロウィン・キルズ」の公開に先駆けてリリースされたパチモンスラッシャー。物静かな男子高校生が突然同級生4名を刺殺し、その後毎年ハロウィンの日だけに現れる白塗りメイクの殺人鬼になる。そしてそいつを偏執的に追い続ける捜査官…ってあまりにもまんますぎるだろう…と思いましたが、こちらの殺人鬼「トリック」は飛んだり跳ねたり重機を動かしたりとアグレッシブで、しかもジグソウばりのトラップ殺人までかましてくれるんでマイケル・マイヤーズよりもサービス精神はある方かもしれません。
この手のスラッシャーとしては珍しく主役がバカな若者グループではなく警察で、トリックもハロウィンの日に出現するわりにははしゃぐ若者よりも主に警官を狙って攻撃を仕掛けてくるところはそこそこ新鮮で面白いです。ただ、その警官が明らかに間違った行動を取っているせいで犠牲者が無駄に増えているように見えるのはいただけない。例えば、トラップで刃物が腹に刺さった同僚の警官はそのままにして応援と救急車を呼ぶべきでしたが、駆け付けた相棒が「自分の車で病院に連れていく方が早い!」とどこにも連絡せず刃物をズブリと抜いて車に乗せたら墓石で潰されるシーンなどは特にアレでした。
主人公のデンバー刑事は毎年現れる殺人鬼がトリックだと考えている唯一の刑事であり、周囲からは「彼は死んだはずだ、後から現れた殺人鬼は模倣犯だ」と散々言われてもめげず、しまいには「闇の力を感じる。奴は闇の力を体現したんだ」などとオカルトなことを言い出すルーミスのような男です。確かにトリックは人間離れしているので、そこはやっぱりマイケルとかジェイソンみたいな超常的な殺人鬼なのかなーと思いながらボンヤリ観ていたらとんでもない驚愕の真相でのけぞりました。まあ驚いたというよりは「何じゃそりゃ!!」的な感情ですが。闇の力(笑)。一応伏線らしきものはあったものの、この真相に加えて「お前生きてたのかよ…」と誰もが呆れそうなこのオチはアリかナシかで言えば確実にナシでしょう。
まあそれでもスラッシャー的な見せ場はそこそこあるし、粗がありまくりとはいえ凡庸になりがちなこのジャンルで意外性のある展開を見せてくれたこと自体は良かったと思うので「ハロウィン・キルズ」が待ちきれないスラッシャーファンは前菜代わりに頂いてみてもよろしいのではないでしょうか。
コメント
最初のドタバタを最後の伏線としている部分だけは面白いかなと思いました
面白いといっても悪役に華がないので普通程度の水準ですが
でも「俺たちの戦いはこれからだ」なにこの続編への色気…
2年以上前に観たやつなのでうろ覚えですが…
私もそこそこ普通程度には面白い作品だったと思います。
これよりひどい作品でもシリーズ化しているのはいっぱいあるし
もしも続編が出たら見てみますよ。
まあ出ないとは思いますけど。