概要
原題:Dorchester's Revenge: The Return of Crinoline Head
製作:2014年アメリカ
発売:竹書房
監督:トミー・フェアクロス
出演:デビー・ロション/ジェイソン・ベイル/クリスチャン・ジェイムス
人里離れた田舎で人形作りをしている母親と二人で暮らしていたドーチェスター。だが、ある時母親が突然の心臓発作で亡くなってしまう。母親の遺体を食べて生き延びたドーチェスターは殺人鬼クリノリン・ヘッドと化し、学生たちを殺しまくった後、行方をくらました。そして20年後、ふたたびその地にアホ学生がフィールドワークにやってくる…。
予告編
感想
2014年製作の(Z級)スプラッターホラー。
「すごく楽しくて演出も最高でストーリーも秀逸で、伏線回収も完璧で誰が見ても面白いだろうって言える最高の映画だから褒め称えてくれ!」
というコメントを頂いたのでさっそくGYAOで鑑賞してみました。
GYAOだと数分おきにレクサスISのCM入りまくってたけど、そんな高級車買えるようなエグゼクティブもこういう映画を観ているものかな。
内容は、幼少期に人形制作者の母を失った少年がクリノリン・ヘッドと呼ばれる人形由来の殺人鬼と化し、アホで品性下劣でクサレ脳ミソな学生どもをぶち殺しまくるというもの。原題からすると続編のようですね。前作はどこにあるんだろ。
それと、どうも「パペット・キラー」の元ネタの一つっぽい臭いがします。オープニングシーンでのクリノリン・ヘッドは弱々しい白人少年なのに、20数年後には巨漢のムサい黒人メタボ中年に変身してしまう点が似ています。ただしこちらの場合は明らかに人種まで変わっているので、この殺人鬼は本当にクリノリン・ヘッドなのか? 真犯人は別の人物なのでは? そもそもどこにクリノリン要素があるの? と観客を巧みに惑わす秀逸なミスリードとも言えます。この辺の伏線は終盤で回収されそうでやっぱりされないけどそうと見せかけて本当にされないので要注目です。
ただ、クリノリン・ヘッドが本格的に暴れ出すのは1時間を過ぎてから。それまではアホで品性下劣なクサレ脳みそたちが織り成す信じがたいほど愚劣低俗卑猥なやりとりで笑わせようとしてくる不潔極まりない下ネタコメディとなっています。特に女子学生同士のケンカでその場で装着中の**用品をおもむろに取って投げつける蛮行のインパクトは絶大。また、そいつが無駄にノリノリで野*ョンをタレようと勢いよくしゃがんだところに包丁ブスリ!も小学生の頃の童心を忘れていない純粋な大人であれば爆笑必至の名珍場面と言える…かもしれません。
で、クリノリン・ヘッドによる殺戮シーンについてですが、これは切ったり刺したりはするものの肝心な描写は隠しておき、カメラに映るのはあくまで飛び散る血しぶきのみに抑えています。グロが苦手なホラー初心者に優しく、そうでない人には余白で想像力を働かせて恐怖心を煽りまくる。低予算Z級スプラッターの何たるかを存分に知り尽くしたベテラン監督の巧みな仕事ぶりに感心せざるを得ないところです。
…かと思えば、ハラワタをつかみ出してそれで首を絞める残虐シーンもあるから油断できない。マーク・ポロニア製のハラワタが赤い布であるのに対し、こちらはしっかりビニールのようなものを使いリアルな質感のハラワタをバッチリ再現している点も見逃せない。さらに、被害者の生首をフェルト生地だか雑巾だかで再現しようという試みも評価できるポイントです。生首には全く見えませんでしたが、特徴的な帽子を被らせることでちゃんと区別がつくようになっている。低予算ながらも様々な工夫を凝らした映画製作の姿勢は称賛されてしかるべきでしょう。
こんなすさまじいホラー映画を今までスルーしていたとは汗顔の至りです。
しかし今からでも遅くはない!
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今世紀最大のケッ作ホラーを絶対に見逃すな!!!!
ただし、鑑賞する場合はくれぐれも自己責任で。
苦情は一切受け付けません。
コメント
最後にちょっと騙してくれるのかと思ったら全然騙してくれなくて、内容はZ級だし色々消化不良のクソ映画でした。
こんなものを観てくださいと言っても観てくれる岩石さんは素晴らしく優しいですね。
最新ブログの傑作も見てみます、あとまだまだクソサメ映画も残ってるし…デビルシャークというものもデビューしなければならない…
いえいえ、オススメされれば大体なんでも観ますよ。
配信されてないやつとかだとちょっと厳しいかもしれませんが。
前日にこれを観ていたおかげでそのギャップでハロウィンキルズもより楽しめましたしね。Z級映画にはそういう効能もあるってことで…
そういう意味ではデビルシャークは最強格ですが、わりと本気でツライ映画なので体調にはくれぐれもお気を付けください。