「アブダクテッド・ラブ」 感想 誘拐サスペンス×不倫モノ

概要

原題:Abducted Love

製作:2016年カナダ

配信:アマゾンプライムビデオ

監督:ブレントン・スペンサー

出演:ダフネ・ズニーガ/アーロン・パール/ニコール・ムニョス


歯科衛生士のアンは、IT企業経営者の夫と反抗期気味の娘と暮らしていた。だがある日、夫が何者かに誘拐されてしまう。「我々の金を返せ」と要求してくる犯人。捜査には麻薬取締局もやってきて、夫が資金洗浄に関わっていた疑いがあるという。弱気になったアンは担当刑事と不倫関係になってしまい、さらにそれをマスコミにすっぱ抜かれて…


予告編

感想





アマプラ配信の新作サスペンス劇場。

本作、プライム会員無料ではなく200円払わなければ観られないので、まあ無料のやつよりはカネがかかってるのかなあ…と淡い期待を抱いて視聴してみたんですが、別にそんなこともない一山いくらの安っぽいテレビムービーでした。正直とてもカネが取れるクオリティの作品ではないと思うんですが、なぜプライム会員無料じゃないのか理解に苦しみます。



内容は、IT企業経営者の夫を誘拐された妻アンがなぜか担当刑事と恋仲になってしまい、それをマスコミにすっぱ抜かれてさあ大変というもの。



「アブダクテッド・ラブ」って変なタイトルだなと思ったら、誘拐サスペンスに不倫モノを掛け合わせたというわけですね。これはいいマダム向けサスペンス劇場。男女の機微に疎い私が見たところで、なんでアンが刑事と恋仲になったのかさっぱりわかりませんでした。まあつまらない夫との生活に飽き飽きしているマダム的には、夫が誘拐されるという刺激的非日常に加え、ナイスミドルなデカとの禁断の恋などが刺さるのでしょうか。



主役のアンはマダムというよりグランマと言った方が適切かなと思える程度にはシワが気になります。一応調べたらこの時50代半ばだったみたいだけど。まあ別に幾つになろうが恋愛したっていいんですが、不倫となるとなあ。しかも夫の誘拐事件を捜査中の刑事と、っていうのは相当タチが悪い気がします。そんなことするぐらいだからアンは夫を愛していたとは言えず、むしろ夫には先に不倫されていたとか、その相手が会社の共同経営者と三角関係を形成していたとか、なかなかマダム好みのドロドロ具合。ずいぶんお盛んな人たちですな。



しかも刑事と熱い接吻をかましていたところをこっそり撮影されて、ニュースで放送までされてしまうという痛々しい展開。私なら恥ずかしすぎて腹を斬りますが、刑事もアンも大して気にしていないご様子。うらやましいほどのメンタル強者どもですな。



しかしそんな恥知らずの両親を持ってしまった娘は悲惨の一言。だって大好きなパパが誘拐されて心配で泣いているのに、テレビをつけたらママと刑事のアツアツ映像が流れていたわけですよ。私なら「やろう、ぶっころしてやる!!」と叫んで火炎放射器を持ち出すところですが、娘はなぜか「ママ、今まで反抗しててごめん」と謝罪。どうしてそうなる? 根本的に私と思考回路が異なる人たちのドラマのようで、全く感情移入できません。



終盤は特に意外でも何でもない犯人と雑な真相、そしてツッコミどころ満載なクライマックスが繰り広げられますが、突っ込んでもあんまりおもしろくない内容なので省きます。別にそこまで酷いってわけではなくテレビのサスペンス劇場だと思えばまあそれなりですが、200円をドブに捨てた残念感は否めないかな…。

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